ゴンべ科のクダゴンベは、1974年に伊豆海洋公園の水深40mから採集され、日本初記録種に。その際、現在の和名が付けられた。クダゴンベはヤギ類などの刺胞動物を住みかにしている。外敵の目をそらすためだろう。そこでどんなところに住んでいるか取り上げてみたい。
リュウキュウイソバナが住みかのクダゴンベ(座間味)
刺胞動物は研究があまり進んでいないため、外見で種が判別しにくいものが多い。したがって、何々類とか何々の仲間という表現になってしまう。
ヤギの仲間に住むクダゴンベ(柏島)
柏島の海底にはオドリカラマツがたくさんある。昔はアオリイカが産卵していたこともある刺胞動物だ。やはりクダゴンベが住みかにしている。
オドリカラマツにいるクダゴンベ(柏島)
ウミカラマツは佐渡でも熱帯海域でも見られるので、分布はかなり広い。白いタイプとクリーム色のタイプ、そして赤茶のタイプもある。
白いウミカラマツを住みかにするクダゴンベ(コモド)
ウミトサカ類を住みかとしている場合があるが、これまで見たのは伊豆大島や大瀬崎、柏島などの温帯域のみ。
ウミトサカ類が住みか(柏島)
奄美の水深22m付近に大きなウミカラマツがある。赤茶のタイプで、2尾のクダゴンベが住んでいる。隠れたり動いたりするので2尾同時は難しいが、根元あたりに来れば何とか撮れる。ある日2尾とも見えなかった。周りを探すと2~3m離れたサンゴの下にいた(白枠下)ので、結構移動することがわかった。いずれにしても、クダゴンベはきれいな住みかが好きなようだ。
ウミカラマツが住みかのクダゴンベ(奄美)