ハゼ科のハタタテシノビハゼは全長約6cmで、屋久島以南の中・西部太平洋に分布している。サンゴ礁域の転石帯やガレ場などに、共生エビと生息している。最大の特徴は、背ビレの一部が長いことで、おろすと尾柄部に達する。
長い背ビレが特徴のハタタテシノビハゼ(奄美)
体色は透明感がある薄茶色で、体には赤茶や白の斑点が入っている。全体的には砂の色と似ているため、保護色と考えられる。
ハタタテシノビハゼ(奄美)
共生相手のエビは、図鑑では「テッポウエビ類」となっている。奄美ではコシジロテッポウエビの場合が多い。
長い背ビレはオス特有のものかと思っていたが、違っていた。ペアを見たらどちらも長かったのだ。通常は、繁殖相手を選ぶ際に有利に働くもの、と考えられるが、そのようなことはないようだ。いったいどんな役目があるのだろうか。
ハタタテシノビハゼのペア(奄美)