大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

コガネアジの生態

アジ科のコガネアジは全長約40cmになり、琉球列島以南の西部太平洋、インド洋、紅海に分布している。主にサンゴ礁域に生息し、単独~数尾のグループで行動している。日本ではあまり見られない。体色は銀色で、体側に黄色の斑点がある。和名は黄色い個体が多いことから付けられた。

コガネアジの黄色い個体と銀色の個体(コモド)

 

体色は何らかの事情で変えられるようで、銀色と黄色の中間をした個体も見かけることがある。

体色が中間の個体(コモド)

 

コガネアジの行動範囲はは広く、エサである小魚を求めて常に移動している。そんなとき、黄色と銀色の個体が一緒に行動していることもよくある。

黄色と銀色の個体が一緒に行動(コモド)

 

小魚を襲うときはとても速いので、その瞬間はなかなか見ることができない。ところがあるとき、目の前で襲ったことがあった。

小魚を襲うコガネアジ(コモド)

 

熱帯海域では繁殖期は特に決まっていないようだが、パプアニューギニアでは6月に求愛が観察できた。複数のオスが婚姻色になり、銀色のメスを追尾する。激しく追いかけあううちに、メスは気に入ったオスとペアになってしばらく移動する。ここで浮上の時間になるのがいつものパターンだ。おそらく日没くらいに産卵するのだろう。

婚姻色になったコガネアジのオス。先にいるメスを追う(パプアニューギニア