大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2019-01-01から1年間の記事一覧

へんな魚

「変なホテル」という名前のホテルがある。先進技術を導入し、心地よさを追求したロボットホテルで、顔認識で入室できるそうだ。「変」には「変化しつづける」という意味があるとか。最近浅草にも「変なホテル」がオープンした。それにちなんで、へんな魚を…

ハナツノハギとの出会い

20年前、フィリピン・セブ島の砂泥底で見慣れぬハギに出会った。図鑑で調べたらハナツノハギという和名。カワハギ科だ。大きさは約18cmで、サンゴ礁域の砂泥底や入江に生息するようだが、日本では見たことがなかった。ハナツノハギのペア(セブ) それから7…

大型フグ それぞれの特徴

ダイビングでよく見られる大型のフグは、モヨウフグとケショウフグ。大きさは70~80cmにもなる。単独で行動し、海底で休んでいることもある。もう1種アラレフグも大型になるが、日本での生息数は少ない。それぞれ目の周囲の模様に特徴がある。モヨウフグ(奄…

パジャマを着た魚

テンジクダイ科のマンジュウイシモチは、奄美諸島以南の太平洋、インド洋に分布している。全長は約6cm。独特な体色・斑紋をしているため、観賞魚としても人気が高い。英名はパジャマカーディナルフィッシュ。言い得て妙。 マンジュウイシモチ(ラジャアンパ…

メガネとナミダ

ニザダイ科にメガネクロハギとナミダクロハギがいる。大きさは約20cmで藻食性。主にサンゴ礁域に生息している。両種とも体の色は濃い茶色だが、目の下にある白い模様の形が異なっている。 偶然一緒になった。右がメガネクロハギ(石垣) 90年代初めごろまで…

ミヤケテグリのこと

ネズッポ科のミヤケテグリは大きさ7cm前後。伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。三宅島で活動していた海洋学者・故ジャック・モイヤー氏の教え子であるマーサ・ザイザーさんが発見し、1985年に新種記載した。学名の種小名には恩師であるモイヤー氏の名…

チョウハンについて

チョウチョウウオ科のチョウハンは約20cmで、千葉県以南の太平洋、インド洋に広く分布している。本州での記録は幼魚と思われる。幼魚の背ビレには目玉模様があり、成長に伴って消える。成魚が見られる海域は奄美大島以南のサンゴ礁域になる。 チョウハン(座…

「牛の舌」と付く魚

魚の名前にはユニークなものもある。今回は「ウシノシタ」と付く魚を取り上げる。体形が牛の舌に似ているからだ。 まずはアマミウシノシタ。上から見ると確かにそっくり。 アマミウシノシタ(沖縄本島) ウシノシタ類はカレイ目のササウシノシタ科とウシノシ…

映画~消えゆくサンゴ礁~を見て

先週、逗子文化プラザで開催された環境問題のセミナー&上映会に行った。上映された映画は「チェイシング・コーラル~消えゆくサンゴ礁~」で、2017年アメリカの作品。 海水温の上昇によってサンゴの白化現象が世界中で起きているが、この映画ではその現象を…

稀種・キヘリキンチャクダイ

キヘリキンチャクダイはキンチャクダイ科キンチャクダイ属。全長20cmで、相模湾以南の西部太平洋に分布している。尾ビレが黒く、先端に黄色の縁取りがあることが和名の由来と思われる。 キヘリキンチャクダイ(コモド) 『魚類図鑑 南日本の沿岸魚』(1975年…

東京都慰霊堂の大法要

近くにある東京都慰霊堂(横網町公園内)で、秋季慰霊大法要の式典が行われた。 東京都慰霊堂 東京都慰霊堂は、1923年の関東大震災で亡くなられた身元不明の遺骨を納め、死亡者の霊を祀る震災記念堂として創建された。その後、東京大空襲で犠牲になった身元…

「天狗」と付く魚

魚にはテング〇〇〇という和名のものが少なくない。テングダイ、テングチョウチョウウオ、テングハギなどすぐに数種は思い浮かぶ。 テングダイも長いのは吻(八丈島) 「天狗」は、赤ら顔で鼻が異様に高く、背中に翼をもつ想像上の妖怪。鼻が特徴的だが、魚…

イセエビ養殖に朗報!

今朝のNHK「おはよう日本」で「クラゲライダー」を取り上げていた。「クラゲライダー」とは、海の中を漂うクラゲに付いて一緒に行動する生きもののことで、幼魚や甲殻類の幼体が多い。 放送された「クラゲライダー」の一場面 撮影していたのがNHK大阪の河野…

サザナミヤッコの幼魚はどこ?

キンチャクダイ科のサザナミヤッコは全長約40cmで、千葉県以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。 サザナミヤッコの成魚(コモド諸島) 本種はサザナミヤッコ属で、日本では他にタテジマキンチャクダイ、ロクセンヤッコ、アデヤッコなどが含まれる…

印象深いシテンヤッコの顔

キンチャクダイ科のシテンヤッコは、相模湾以南の中・西部太平洋、インド洋に広く分布する。ただし本州で見られるのは、幼魚や若魚と思われる。 特徴的なシテンヤッコ(座間味) 全長約30cmになるが、通常見られるのは20~25cmが多い。シテンヤッコは顔がユ…

サンゴに依存する魚

サンゴがなくなると、生存できなくなる魚はたくさんいる。イソギンポ科のセダカギンポもそんな魚。サンゴが住みかなのだ。 隙間にいるセダカギンポ(座間味) 分布は紀伊半島以南の太平洋、インド洋。全長約10cmで、サンゴ礁や岩礁に生息しているが、警戒心…

アミメフエダイについて

フエダイ科のアミメフエダイは、全長約30cmで琉球列島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。赤茶色の格子模様を「網目」に例えて和名が付けられている。 スミラン諸島のアミメフエダイ 最初に出会ったのは東部インド洋のアンダマン海・スミラン諸…

おさかな天国・コモドの海(最終回)

今年は水中写真を1枚も撮っていない。ブログに使用したのは動画から切り出したもの。そう、静止画からビデオ(動画)に替えたのだ。 愛用のビデオカメラ 理由は、一眼レフを2台(マクロとワイド)持って潜るのがしんどくなったことと、魚類の生態や行動を動…

おさかな天国・コモドの海(6)

大潮の干潮時に砂の島が現れた。コモドで見たのは初めて。今までもあったに違いないが、タイミングが合わなかったようだ。 海峡に出現した砂の島 現れたのはコモド島とリンチャ島の間のリンチャ海峡。当然潮の流れが強くなるところで、人気ポイントがいくつ…

おさかな天国・コモドの海(5)

前述したが、今回は気象の関係で南エリアではあまり潜れなかった。そこで今回南エリアで撮った希少な写真を集めてみた。 シーアップル 南エリアだけしか見られないナマコの仲間のシーアップルは、触手が伸びているのはこの1個体しか写真がない。当初は何度も…

おさかな天国・コモドの海(4)

今回のコモドはネムリブカが多く見られた。5~6尾で遊泳しているといったシーンもよくあった。 遊泳するネムリブカ そもそもネムリブカは、海底でじっとしていることがほとんどなのでこの和名が付けられた。特に日本では「眠っている」状態が多いのだが、海…

第42回隅田川花火大会

台風6号の接近で開催が危ぶまれていた隅田川花火大会。意外にも東京は天気の崩れもなく、無事開催された。 花火見物に集まった船(16時半ごろ) 今の住まいからは見えないので、ダイビング仲間が住む秋葉原近くの高層マンションへ。花火を肴に宴会するという…

おさかな天国・コモドの海(3)

今回2クルーズしたにもかかわらず、心残りがある。低水温や荒天のため、コモド諸島の特長でもある南エリアでは数本しか潜れなかったこと。 背ビレが欠けているロクセンヤッコ しかし、1本しか潜らなかった南の代表的ポイントでうれしい再会があった。以前も…

おさかな天国・コモドの海(2)

10年以上通っているコモド諸島で、今までと違うことが二つあった。一つは、南エリアの水温が異常に低かったこと。これまでの最低水温は約23℃だったが、今回手元のダイコンでは20.8℃だった。 ウミカラマツとハタタテダイ もう一つは2クルーズ目のとき強風が3…

おさかな天国・コモドの海(1)

コモド諸島ダイブクルーズを堪能してきた。インドネシアは観光に力を入れているため、海外からの観光客が増えている。 ラブハンバジョー空港 3~4年前にデンパサールやジャカルタの空港を新しくした影響もあるのだろう。コモドの玄関口ともいえるフローレス…

コモド諸島へ

明日(7/6)コモド諸島ダイブクルーズに出発する。いつもは9月に行くことが多いのだが、今年は満員なのでこの時期になった。 ドック入りが長引いてるハティク号 乗船予定の「ハティク号」はドック入りしているらしく、遅れていて出航に間に合わなくなったよ…

ウロコマツカサについて

FU-KUの写真展でわりあい好評だったのは、ウロコマツカサが群れている写真だった。鮮やかな魚が同じ方向を向いているのでリズムが生じ、心地よさを感じたのではないだろうか。 ウロコマツカサ 初めてコモドを訪れた2008年に撮った写真で、こんなにたくさん浮…

FU-KUパーティー・ファイナル

早いもので、菜酒家FU-KUで2か月間開催していた写真展がファイナルを迎えた。それに伴い、6月29日にクロージングパーティーが開かれた。 開始前のパーティー会場 6/18に追加のパーティー第三弾もあったので、4度目になる。今回も大勢の方が集まってくれ、大…

今朝の「あさイチ」

NHK朝の情報番組「あさイチ」。今朝はゲストを招いての「プレミアムトーク」で、女優・仙道敦子んだった。 「あさイチ」での仙道敦子さん 実は昔、会ったことがある。というと知り合いみたいだが…。 伊豆の山奥の映画撮影現場でちらっとお見かけしたことがあ…

ニコンミュージアム・コレクション展

品川にあるニコンミュージアムへ行った。いま企画展として「コレクション展」が開催されている。 ニコンミュージアム入口 歴史あるカメラの展示ももちろん見たかったが、それ以上に興味があったのは「ニコンマリン」だ。ぼくがダイビングを始めた60年代初…