魚にはテング〇〇〇という和名のものが少なくない。テングダイ、テングチョウチョウウオ、テングハギなどすぐに数種は思い浮かぶ。
テングダイも長いのは吻(八丈島)
「天狗」は、赤ら顔で鼻が異様に高く、背中に翼をもつ想像上の妖怪。鼻が特徴的だが、魚には哺乳類のような形の鼻はない。鼻孔という穴だけだ。だから吻(口がある部分)が長いものを鼻に例えたのだろう。
ウミテングは鼻先が長いように見えるが、これも吻。口は下側にある。
テングハギ(座間味)
テングハギは吻ではなく、額のツノだ。これを鼻に例えるのはちょっと強引。
テングハギの近縁種のツマリテング。さらにツノが長い。なぜ「ツマリ」なのだろう。だが、位置的には鼻に最も近い。
テングチョウチョウウオも吻が長い。チョウチョウウオ類の多くは長いので、なぜ本種に付けたかは不明。もしかしたら由来は体形ではなく、分布が広いわりには生息数が少ないので、なかなか出会えない。そんなことから想像上の「天狗」になぞられたのかもしれない。