大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

チョウハンについて

チョウチョウウオ科のチョウハンは約20cmで、千葉県以南の太平洋、インド洋に広く分布している。本州での記録は幼魚と思われる。幼魚の背ビレには目玉模様があり、成長に伴って消える。成魚が見られる海域は奄美大島以南のサンゴ礁域になる。

チョウハン(座間味)

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単独かペアでいることが多いが、場所によっては群れることもあるらしい。

ムレハタタテダイに交じる(タヒチ

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チョウチョウウオ類は昼行性なのだが、魚類図鑑に「チョウチョウウオ類では珍しく夜行性…」というチョウハンについての記述があった。その図鑑とは昨年発刊された『日本魚類館』(小学館)だ。それまでは、ハワイで夜間にエサを食べているのが観察された、と書かれていた図鑑はあったが…。
昔、ナイトダイビングをしたとき、チョウハンが寝ているのを撮った覚えがあるのでフィルムを探してみた。その写真がこれで、確かに岩陰で寝ている。行動に関しては生息海域や個体で違いがあるのだろう。

夜間に寝る(座間味)

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以前チョウハンと見慣れぬチョウチョウウオがペアでいるのを見た。魚類学者に写真を見ていただいたところ、チョウハンとツキチョウチョウウオの交雑種であることがわかった。

チョウハンと交雑種(座間味)

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