2021-01-01から1年間の記事一覧
スズメダイ科のオキナワスズメダイは全長約8cmで、八丈島および和歌山県以南の西部太平洋、インド洋に分布している。緑がかった体色で、背ビレ後部の付け根にクリーム色の斑紋と尾ビレ上下に黒帯があり、頭部が黄色味を帯びているのが特徴。 オキナワスズメ…
このところ「大気の状態が不安定」「線状降水帯」などの言葉を頻繁に聞くようになった。事実、記録的大雨も立て続けに起こり、異常気象がもはや異常ではなくなった。先日も熱海市伊豆山で土石流が発生。昔ダイビングしたところでもあるので、いよいよ身近に…
魚を撮影するときは適度に近寄り、最もよいと思う体勢・表情を狙うことにしている。その魚の特徴を引き出すことがポイントになる。そうするためには、魚との駆け引きが必須なのだが、特にクロユリハゼの仲間の場合、ギリギリのせめぎ合いがとても楽しいのだ…
いかにも毒々しいのはイイジマフクロウ二。相模湾から九州にかけての太平洋沿岸の岩礁域に生息する。トゲには毒があり、刺されると激しく痛む。直径は約20cmで、顔を近づけるとトゲがうごめく。フクロウ二の名は、革の袋のようにやわらかいからで、ヤワラウ…
チョウチョウウオ科のミスジチョウチョウウオは、全長約15cm。伊豆諸島以南の太平洋、東部インド洋に分布している。サンゴのポリプを主食にしているが、成魚は藻類も食べるらしい。主な生息域はサンゴ礁で、大抵ペアで行動している。 ミスジチョウチョウウオ…
南の島から素敵な写真集が届いた。座間味島で活動している「自然写真家ユニット・うみまーる」の新刊で、『となりのウミガメ』だ。 写真集『となりのウミガメ』 表紙のウミガメは、腕を組んでいて人間っぽい。本文にも載っていて、キャプションは「ふむふむ…
ハタ科ナガハナダイ属のメラネシアン・アンティアスは全長約9cmで、フィリピンやインドネシア、マレーシア、パプアニューギニアなどに分布している。日本にはいないため、和名はない。英名は前述以外にレッドチークド・バスレットやパシフィックフェアリー・…
チョウチョウウオ科のアミチョウチョウウオは、全長約15cmほど。相模湾以南の西部太平洋に分布している。だが、主な生息域はサンゴ礁なので、温帯域で見られるのは幼魚と思われる。黄色い体に網目模様があり、これが和名の由来。ただし「アミメチョウチョウ…
6/20 は「父の日」ということで、海の中で頑張るお父さんの巻。 海の魚の産卵は ① 水中に産みっぱなし ② 岩などに産み付ける ③ その他の三つに大別できる。③のその他とは、タツノオトシゴやヨウジウオのように、オスの腹部に産卵する方法。また、テンジクダ…
イトヨリダイ科のヒトスジタマガシラは、全長約40cmに達する。琉球列島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。サンゴ礁域に単独か少数の群れで行動しているらしいが、群れは見たことがない。体側に褐色の帯のような斑紋があるのが特徴。 ヒトスジタ…
現在放送中のNHK朝ドラ「おかえりモネ」。宮城県気仙沼の離島で生まれ育ったモネ。高校卒業後、森林組合に勤めながらしだいに気象の世界にひかれ、気象予報士を目指し成長する姿を描く物語。カキの養殖業をしている祖父が「森と海はつながっている」とモネに…
その後、ピースボートには2回(シンガポール~イギリス、タヒチ~東京)乗船し、4回目が2000年9月の「南十字星クルーズ」。ぼくはブリスベンからニュージーランドを巡り、10/1にニューカレドニアで下船した。事前にフランス人経営の「アメデダイビングクラブ…
ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに「いつか訪れたい旅先」シリーズがあり、今回はニューカレドニアだった。フランス領ニューカレドニアは、奇跡の出会いなど想い出がたくさんある。パラオに次いで2回目の海外がニューカレドニアで、1974年5月の…
アイゴ科のヒフキアイゴは全長約25cmで、琉球列島やフィリピンなどに分布している。サンゴ礁域をペアで行動していることが多い。口は突き出ていて、目を通る黒い帯があり、黄色の体側には黒い斑紋が入っている。その斑紋はそれぞれ異なり、同じものはない。 …
チョウチョウウオ科のフエヤッコダイは全長約15cmになり、相模湾以南の太平洋、インド洋に広く分布している。成魚が普通に見られるのは奄美以南のサンゴ礁域になる。体色は黄色で、吻が細長いことが特徴。 リュウキュウイソバナとフエヤッコダイのペア 沖縄…
クリーニングシュリンプは日本に約10種いるが、最も希少なのはシロボシアカモエビだろう。脚が白いため、英名ではホワイトソックス、またはスカーレットクリーニングシュリンプという。大きさは4cmほどで、水深20m前後にある根に生息している。穴や隙間など…
6月1日のNHK「あさイチ」は、沖縄モズクの特集だった。養殖モズクには、ちょっとした想い出がある。養殖モズクは70年代中ごろに始まり、その後座間味村でも安慶名敷島(あげなしくじま)と阿護の浦で行われた。モズクの養殖は、穏やかな海底に鉄の杭を打ち、…
キンメモドキの群れは、誰もが魅力的に思える被写体だと思う。ハタンポ科キンメモドキ属のキンメモドキは、ハタンポ属より体高が低いため、近縁とは思えない。全長約7cmで、千葉県以南の太平洋、インド洋に分布している。体の色は幼魚期は半透明だが、成長に…
奄美大島南部の代表的なダイビングポイントは、嘉鉄(かてつ)。砂地に根がいくつかあり、魚も多い。少し離れた砂地の水深約13mに、マバラシライトイソギンチャクがある。長い触手がカーブしているのが特徴。このイソギンチャクにはクマノミやトウアカクマノ…
10年前の出来事といえば、何といっても東日本大震災。だが、自分の中ではもう一つある。10年前の5月25日は、ミステリーサークルをつくるフグを発見した記念日なのだ。当日朝、女性スタッフKとお客1名の計3名でボートに乗り出港。予定のポイントは他のボート…
ホンソメワケベラにそっくりなニセクロスジギンポ。擬態種としては完璧といえるが、別種なので当然違いはある。形態面では口の位置や背ビレの形など。行動面では群れることが多いのも相違点。ホンソメワケベラは群れてもせいぜい3~4尾なのに対し、ニセクロ…
ダイビングでは安全のため、二人一組のバディで行動することが基本。バディシステムという。しかし、被写体探しや撮影に夢中で離れてしまうことも多い。そんなとき、アイゴ類を見て反省させられる。 アイゴ科は世界に29種、日本に12種分布している。全長約25…
図鑑『move 魚』(講談社)を何気なく見ていて驚いた。ブルースポテッド・スティングレイが「ルリホシエイ」となっていたからだ。基本的に動物や魚などは、日本に分布していないと和名はない。ただし動物園や水族館に展示の場合、学名や英名ではわかりにくい…
先日ハナダイギンポを取り上げたので、今度はハナダイダマシ。自分の中ではセットになっている。スズメダイ科のハナダイダマシは、プランクトン食で全長約9cmになる。沖縄以南の太平洋、インド洋に分布している。新種記載は1856年で、日本では80年代初めに西…
5月13日、NHK昼放送の「サラメシ」(5/11の再放送)。なんと知り合いが出た。東京印書館のプリンティングディレクター・高栁 昇氏だ。印刷業界や写真家の間ではカリスマ的な方で、昨年秋『サンゴ礁の海 生きるための知恵くらべ』(岩崎書店)を制作した際お…
イソギンポ科フタイロカエルウオ属は日本に6種分布している。ほとんどは岩を這いながら主に藻類を食べるが、ハナダイギンポだけは遊泳タイプで、プランクトン食。全長約10cmで、沖縄以南の西部太平洋、インド洋に分布している。ハナダイと付いているのは、体…
以前ハナゴイを取り上げた際、海外に近似種が生息していることを述べた。パープルビューティーで、図鑑(地域)によってはパープルクイーンと呼ぶこともある。フィリピンやインドネシアなどの西部太平洋に分布し、全長は約11cmでハナゴイよりひと回り小さい…
イナセギンポはイソギンポ科テンクロスジギンポ属で、全長約7cm。相模湾以南の西部太平洋に分布しているが、成魚が普通に見られるのはサンゴ礁域だ。体は灰色と黄色のグラデーションで、口元は赤味を帯びる。遊泳タイプで、サンゴや岩に巣穴を持つ。食性は他…
チョウチョウウオ類のほとんどはペアで行動している。ごく一部のチョウチョウウオを除いて。ごく一部とはカスミチョウチョウウオのこと。豊富に流れてくるプランクトンが主食なので、争う必要がない。 プランクトン食のカスミチョウチョウウオ(奄美) 通常…
チョウチョウウオ科ハタタテダイ属8種のうち、日本では6種見られる。同属は背ビレが旗に似ていることでこの名が付いた。英名もバナーフィッシュで、同じ意味。ミナミハタタテダイはその名が示すようにサンゴ礁域が生息域で、九州以北で見られるのは幼魚。成…