大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

バディシステムの優等生・アイゴ

ダイビングでは安全のため、二人一組のバディで行動することが基本。バディシステムという。しかし、被写体探しや撮影に夢中で離れてしまうことも多い。そんなとき、アイゴ類を見て反省させられる。

アイゴ科は世界に29種、日本に12種分布している。全長約25cmで、背ビレなどのトゲに毒があるのが特徴。主にサンゴ礁域に生息する藻食性。

ペアで行動するブチアイゴ(タイ・サムイ島)

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アイゴ類は群れで生活するものが多いが、単独あるいはペアで行動するものもいる。温帯域に生息するアイゴは、小さな群れの場合がほとんど。一方、マジリアイゴはペアで行動することがよくあり、互いに遠く離れることもない。

バディの模範ともいえるマジリアイゴ(座間味)

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紺と黄色で染め分けられているのは、バイカラー・ラビットフィッシュ。アイゴ類の口はウサギのそれに似ていることから、英名はラビットフィッシュという。この魚はフィジー固有種で、昔ある図鑑に「ソメワケアイゴ(新称)」と付けられたことがあるが、浸透しなかった。 

イカラー・ラビットフィッシュ(フィジー

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オーストラリアのグレートバリアリーフ(GBR)で、ヒメアイゴのペアに出会った。日本で見るものと少し異なっていて、顔にある帯が細くて薄いのだ。調べた結果、地域変異ということがわかった。

地域変異のヒメアイゴGBR

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インド洋や紅海に分布するアイゴ類にもペアで行動するものがいる。ブラウンスポテッド・ラビットフィッシュだ。海底の藻類を食べては移動し、また食べるというのを繰り返す。

我々ダイバーもアイゴ類を見習うべきだが、こんなに接近されたら正直ウザイ!

日本にはいないブラウンスポテッド・ラビットフィッシュ(紅海)

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