大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ルリホシエイって?

図鑑『move  魚』(講談社)を何気なく見ていて驚いた。ブルースポテッド・スティングレイが「ルリホシエイ」となっていたからだ。基本的に動物や魚などは、日本に分布していないと和名はない。ただし動物園や水族館に展示の場合、学名や英名ではわかりにくいので、便宜的に付けることがある。ワオキツネザルがよい例だ。日本で発見されたという情報もないので、便宜上の和名だろう。

『move 魚』のルリホシエイのページ

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英名はブルースポテッド・スティングレイのほかにリボンテール・スティングレイ、ブルースポテッド・ファンテールレイなどがある。アカエイ科で、フィリピンやインドネシア、オーストラリアなどの太平洋、イン洋、紅海に分布している。砂地にいることが多いが、ガレ場や岩場にも出現する。

ガレ場にいたルリホシエイ(紅海)

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着底していることが多く、泳いでいるのはめったに見られないが、一度目にしたことがある。ダイバーに驚かされたというわけではなかったので、こっちがちょっと驚いた。

泳いで移動するルリホシエイ(コモド)

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流れの強いポイントで潜り終え、安全停止のために水深5mの岩陰に回り込んだら、ルリホシエイもやって来て、岩にピタリと張り付いた。エイといえども、流れは嫌みたいだ。

岩陰で潮の流れを避ける(コモド)

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今回のことで海外の図鑑も調べていたら、近似種がいた。ブルースポテッド・マスクレイだ。違いは尾の先端付近に白黒の模様があることと、目の周辺が黒っぽいところだ。今まで同種と思っていたので、「ルリホシエイ」のお陰といえよう。

ブルースポテッド・マスクレイ(コモド)

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