しかし数年後に既存種と同じであることが判明し、新種ではなく、日本初記録に換わった。既存種とは英名がピンクバスレットで、新種記載されたのはナント1856年。現在の分布は『日本の海水魚』(山と渓谷社)によると琉球列島、インド・太平洋域とかなり広がっている。
'91年に柏島に行ったとき、ケラマハナダイの立派なオスがいたので驚いた。
ケラマハナダイの幼魚(富戸)
ケラマハナダイ(ニューカレドニア)
海外ではモルディブやグレートバリアリーフ、ニューカレドニアで見たことがある。日本では、砂地やガレ場にある根に生息していることがほとんどだが、海外では単なるガレ場や沈船に生息していることが多い。
オスだけの集団(奄美)
奄美大島の南部にケラマハナダイの群れがいるポイントが3ヵ所くらいある。いずれも小さな根で、周囲は砂地。オスだけが集団をつくることもよくある。これほどの数が群れるのは「本場」の慶良間でもない。ケラマハナダイが世界でいちばん多い海は奄美だ。