大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

うみまーる写真集『となりのウミガメ』

南の島から素敵な写真集が届いた。座間味島で活動している「自然写真家ユニット・うみまーる」の新刊で、『となりのウミガメ』だ。

写真集『となりのウミガメ』

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表紙のウミガメは、腕を組んでいて人間っぽい。本文にも載っていて、キャプションは「ふむふむ?」で、コバンザメと相談中!?、と書かれているが、実は、コバンザメにお腹にくっつかれるのがイヤで、両手で振り払ったところとか。

コバンザメを振り払うさまざまなポーズ

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この写真集の舞台は座間味島の阿真ビーチ。「うみまーる」はこの付近に住むウミガメを個体識別し、それぞれ名前を付けている。表紙のアオウミガメは「しずく」というように。最後のページにはオールキャストとして25個体の顔写真を載せている。

阿真ビーチ。サインも入れてくれた

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阿真ビーチはウミガメの産卵場所。ふ化した子ガメが海に出てある程度成長すると沿岸に戻ってくるのだが、沖での暮らしは謎だった。しかし096月、「うみまーる」が沖合で流れ藻に乗った子ガメを観察・撮影し、初めて生活の一端が明らかになった、と記されている。

流れ藻に乗った子ガメ

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「うみまーる」は環境保護活動もしていて、その様子も後半に掲載されている。

この写真集は、ウミガメが暮らす海の近くに住んでいなければ撮れない写真ばかり。貴重な写真満載の『となりのウミガメ』。ぜひ手に取って見ていただきたい。

書名 『となりのウミガメ』

著者  うみまーる

判型  A4変形(200×220mm

   72頁オールカラー・表紙折り返し

発行 うみまーる企画

価格 1870円(税込み)

ふ化した子ガメが早朝海に入って沖を目指す 

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