大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

口元が特徴・ミナミハタタテダイ

チョウチョウウオ科ハタタテダイ属8種のうち、日本では6種見られる。同属は背ビレが旗に似ていることでこの名が付いた。英名もバナーフィッシュで、同じ意味。ミナミハタタテダイはその名が示すようにサンゴ礁域が生息域で、九州以北で見られるのは幼魚。成魚は屋久島以南の中・西部太平洋、東部インド洋に分布している。全長は約18cmで、口元が黄色いことが特徴。

ミナミハタタテダイのペア(奄美

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サンゴや付着生物の近くに大抵ペアか単独でいる。あまり動かないうえ、さほど警戒もしないため、とても撮影しやすい。誰でも傑作が撮れる魚といえよう。

サンゴ礁外縁で出会ったペア(シパダン)

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本種の英名は「ペナント・バナーフィッシュ」で、三角形のような体の特徴を表している。

ウミトサカのそばにいたペア(伊江島

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幼魚はより三角形に近い。また、尻ビレに目玉模様がある。サンゴの隙間などに単独でいることが多い。

全長約7cmの幼魚。目玉模様が崩れている(座間味)

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幼魚は単独でいることがほとんどなのに、成長するとペアの場合が多い。どのようにして巡り合うのか不思議だ。グアムでは群がりに出会ってちょっと驚いた。ツノハタタテダイも交じっていたものの、8尾いた。どのようにして集まったのだろうか。謎だ。

8尾が群がっていた(グアム)

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