6/20 は「父の日」ということで、海の中で頑張るお父さんの巻。
海の魚の産卵は ① 水中に産みっぱなし ② 岩などに産み付ける ③ その他の三つに大別できる。③のその他とは、タツノオトシゴやヨウジウオのように、オスの腹部に産卵する方法。また、テンジクダイ科は受精卵をオスが口に入れて育てる口内保育を行い、ふ化までの8日前後絶食する。②の場合も卵を守るのは概ねオスと決まっている。
口内保育するクロホシイシモチのお父さん(奄美)
キンセンイシモチもテンジクダイ科なので、お父さんが口内保育する。しかし、不思議なことに卵をくわえたオスだけで群れることもある。まるで検診を受けに来ているようだ。
卵をくわえたキンセンイシモチのお父さんたち(水納島)
死サンゴに産み付けた卵の世話をするのは、スズメダイ科のクラカオスズメダイ。卵を狙ってやって来る外敵を追い払ったり、ヒレであおったりしてふ化までの数日間世話をする。
コウイカ科のコブシメの沖縄での産卵期は3~5月、奄美では約1か月後ろにずれる。オスが複数のメスを従えて産卵場所に来るケースが多いが、時にはペアの場合もある。メスが産卵する間はそばで見守っている。卵はサンゴの隙間に産みっぱなしで世話はしない。約2か月でふ化する。
産卵を見守るコブシメのお父さん(座間味)
スズメダイ科のトウアカクマノミは、石や貝殻などに産卵する。卵の世話はオスが主体で行い、ふ化まで約7日かかる。ふ化は夜で、オスは(時折メスも)ヒレであおってふ化を促す。すると卵が勢いよく動き、赤ちゃんが誕生する。
ヒレでふ化を手助けするトウアカクマノミのお父さん(タイ・タオ島)