テンジクダイ科のクロオビアトヒキテンジクダイ。その名のとおり、体の中央に黒帯がある。また、頬にオレンジ色のラインが2本入っているのも特徴。全長6cmになり、奄美大島以南の西部太平洋、インド洋に分布している。内湾性で、枝状サンゴに群れている。
黒帯とオレンジのラインが目立つ(コモド)
けっこう警戒心が強く、サンゴのすき間からあまり出ない。黒帯は目立ってしまうのではないかと心配になるが、意外にそうでもない。密集すると枝サンゴとあいまってカムフラージュになる。
密集すると意外に目立たない(座間味)
黒帯は濃さを変えることができるようで、まったく目立たない個体もいる。カムフラージュ効果を考えてのことなのだろう。
黒帯が目立たない個体(奄美)
通常は群れで暮らしていて、繁殖期になるとペアができる。外見ではオスとメスはわからない。群れから離れて産卵し、受精させた卵塊をオスがくわえてふ化まで保護する、口内哺育を行う。
ペアになり群れから離れる(コモド)
産卵はおそらく夕方なので、見られる機会は少ない。しかし、卵をくわえているオスを見ることはある。口の皮膚が透けているので、卵がうっすら見える。ふ化するまでの数日間、オスは我が子が旅立つまでエサもとらずに頑張る。
卵をくわえているオス(コモド)