このところ「大気の状態が不安定」「線状降水帯」などの言葉を頻繁に聞くようになった。事実、記録的大雨も立て続けに起こり、異常気象がもはや異常ではなくなった。先日も熱海市伊豆山で土石流が発生。昔ダイビングしたところでもあるので、いよいよ身近に迫ったという感じだ。こうした気候変動は、地球温暖化によるものと考えられている。地球温暖化については数十年前から科学者が唱えていたと思うが、当初は誰も本気にしなかった。温暖化の主な原因はCO2。森林や海洋がCO2を吸収するが、それを上回る排出があるため、温暖化は収まらない。経済優先で乱開発したツケがまわってきたのだろう。
記録的大雨などを報じるNHKのニュース(7/3)
11年前、奄美大島を襲った豪雨のとき、たまたま居合わせたので、取り上げてみたい。2010年10月20日、11時奄美空港到着。小雨だった。ホテルスタッフの車で南部に向け出発し、食堂で昼食中、途中の道路が冠水のため通行止めの情報を入手。名瀬市内の図書館で一旦休憩。時間が経てば水が引くと思ったからだ。ところが雨は強くなり、状況は悪くなるばかり。迂回も無理と判明し、この日はあきらめて名瀬市のホテルを予約した。市内を少し見て回ったが、川の水は溢れんばかりで、支庁通りと永田橋通りの交差点は低いので、完全に冠水していた。
冠水した名瀬市支庁通りの交差点(10/20 17時ごろ)
雨は強弱を繰り返し、やむ気配はない。永田川の岸が崩れているところもあった。
崩れた川岸。激しい雨が降ったことを物語る(10/20 17時半ごろ)
夜の間も雨は降り続けたが、朝にはやんでいた。しかし住用という地区が浸水し、大きな被害が出た。これではダイビングどころではない。帰るにしても空港までの道路が土砂崩れで寸断。身動きが取れない状態に陥った。名瀬のホテルに缶詰めは避けたい。
豪雨の様子を伝える地元の南海日日新聞(10/21)
いろいろ調べたら、鹿児島行きのフェリーが今夜名瀬港を出航することがわかり、すぐ予約した。こうしてフェリーで脱出し、鹿児島からジェット機で帰ることができた。この奄美豪雨から11年経った今もあちこちで起こっている。気候変動より気候危機のほうがふさわしいようだ。
鹿児島新港に着いたフェリー(10/22 9時ごろ)