大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

奄美の魚類図鑑

奄美群島の魚類図鑑が先週発刊された。この図鑑にはかかわっていないが、著者のひとりでもある本村先生から発刊のお知らせをいただいた。


新しく発刊された魚類図鑑

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奄美群島の魚類図鑑』(編著者・本村浩之、萩原清司、瀬能宏、中江雅典 / 発行・南日本新聞開発センター)がそれ。
3370枚の写真で1321種の魚類を紹介。4 438頁 定価3500円+税。 
ほとんどが標本写真だが、特筆すべきはすべて奄美群島産とのこと。よくこれほど標本を揃えたものだ。







ほとんどが標本写真                                            

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以前から鹿児島大学総合研究博物館と国立科学博物館の共同プロジェクトで鹿児島県奄美群島の魚類に関する調査・研究が進められてきた。それに加えて横須賀市自然・人文博物館や神奈川県立生命の星・地球博物館による長年の調査結果を取りまとめて本書が完成した。編著者の4名以外にも多くの分類の専門家が執筆されている。






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長年奄美大島に通って魚類の観察・撮影してきた者としては、物足りない部分もある。チョウチョウウオ類のページにテングチョウチョウオが載ってないことだ。また、タカノハダイが載っているにもかかわらず、それより多いミギマキが載ってないのも不満。標本が採集できなかったこともあるだろうが…







アマミホシゾラフグ

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アマミホシゾラフグやニゲミズチンアナゴも掲載されていた。前者は唯一かかわった魚で、標本採集の協力者のひとりとして氏名を載せていただいている。











交雑種と思われるハギ
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ガネクロハギは水中写真だが、メガネクロハギではないと思う。メガネクロハギは目の下の白い斑紋が横帯で、尾ビレの黄色ももっとしっかりした細い線だ。この写真の特徴からメガネクロハギとナミダクロハギの交雑種に違いない。

「はじめに」の最後に、調査はまだ充分ではなく、本書を基礎資料として、今後のさらなる調査が期待される、と記されている…