大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

撮りにくい魚・シマヤッコ

キンチャクダイ科のシマヤッコは全長約10cmで、八重山諸島以南の中西部太平洋に分布している。


シマヤッコ(ラジャアンパット)

イメージ 1生息場所はドロップオフの壁で、岩の隙間などに隠れていることが多い。警戒心がとて強く、撮影には苦労させられる魚だ。











逆さになることも(シパダン)                                             

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新種記載は1911年と古い。日本では80年代前半に八重山諸島の黒島で生息が確認され、日本初記録になった。35年以上経っているにもかかわらず、日本で撮影された写真は見たことがない。おそらく生息数がきわめて少ないうえ、海外の個体と比べると警戒心がさらに強いことが容易に推測される。







静かに待つと近寄ってくることも(コモド)
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新種記載されてから90年ごろまではアブラヤッコ属に入れられていたが、研究が進むうちに新たな属がふさわしいということになり、91年にシマヤッコ属が誕生した。これを機にスミレヤッコ属もシマヤッコ属に変わった。


 






シマヤッコの正面顔(バリ)
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習性や性格は同属のスミレヤッコと同じ。岩の隙間から姿を現しても素早くて、なかなかいい写真は撮れない。ピンボケだったり顔の向きが悪かったり…。そんなワケで、ピントが合っていて角度のいい写真が撮れたときには、うれしさもひとしお。