大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

キイロサンゴハゼについて

ハゼ科コバンハゼ属のキイロサンゴハゼは、和歌山県以南の太平洋、インド洋に分布している。全長約3.5cmで、体色は全身黄色。頬のあたりが白っぽい個体が多い。 

サンゴに住むキイロサンゴハゼ(奄美

 

新種記載されたのは1972年で、沖縄で採集された標本が基になっている。本種が好む生息環境は内湾の浅瀬のサンゴ礁で、穏やかなところ。奄美にはこうした環境がたくさんあるため、生息数も多い。 

奄美では数が多く、警戒もしない(奄美 

 

生息数が多いとあまり警戒しなくなるので、当然撮影しやすくなる。本種は撮影しにくいと、あるダイバーから聞いたことがあるが、奄美ではそんなことはまったくない。 

かなり接近して撮れる(奄美) 

 

八重山諸島にも生息数が多いようだが、行く機会があまりなかったため、写真はちょっとしかない。 

白化したサンゴに住むキイロサンゴハゼ(西表) 

 

本種の食性や繁殖生態など、図鑑には記されていない。観察・撮影していても特に変わったことはないので、観察時間をもっと増やす必要があるのだろう。よく見られる魚でも、まだまだ未知の部分が多い。 

生態不明なキイロサンゴハゼ(奄美)