魚の体色・斑紋はさまざま。そこで青と黄の魚だけ集めてみたら、意外に多いことがわかった。まずはソメワケヤッコ。名前のとおり半分に染め分けられている。警戒心がやや強く、サンゴや岩陰伝いに移動する。
ソメワケヤッコ(奄美)
ハナヒゲウツボは体が青くて背ビレが黄色い。サンゴ礁域の根のそばのガレ場で見られる。警戒心が強く、あまり体を出さないが、エサを狙ってかなり出すこともある。ちなみに幼魚は、青い部分が黒い。
ハナヒゲウツボ(座間味)
スズメダイ類では3種が当てはまった。セナキルリスズメダイ(左上)はその名のとおり背が黄色い。礁斜面に群がっている。シリキルリスズメダイ(右上)は尾が黄色い。サンゴ礁域の内湾に生息している。ソラスズメダイ(下)も尾が黄色いが、個体によっては尻ビレも黄色い。温帯域からサンゴ礁域まで広く分布している。
スミレヤッコは断崖の壁などの隙間に生息している。警戒心が強く、隙間から出ても気配を感じるとすぐ隠れてしまうので、素早く対応しなければならない。
スミレヤッコ(奄美)
温帯域に生息するルりハタ。図鑑にはサンゴ礁域にも分布とあるが、見たことがない。生息数は多くないようで、伊豆で2~3回しか出会っていない。そのため自分のなかでは希少価値のある魚といえる。今回の「青と黄の魚」は、ルリハタを登場させたいがために考えた。ルリハタはハタ類とは異なり、ヌノサラシやアゴハタ、キハッソクなどと同じグループで、いざというとき皮膚から粘液性の毒を出す。
ルリハタ(伊豆大島)