大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

青と黄の魚

魚の体色・斑紋はさまざま。そこで青と黄の魚だけ集めてみたら、意外に多いことがわかった。まずはソメワケヤッコ。名前のとおり半分に染め分けられている。警戒心がやや強く、サンゴや岩陰伝いに移動する。

ソメワケヤッコ(奄美

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ハナヒゲウツボは体が青くて背ビレが黄色い。サンゴ礁域の根のそばのガレ場で見られる。警戒心が強く、あまり体を出さないが、エサを狙ってかなり出すこともある。ちなみに幼魚は、青い部分が黒い。

ハナヒゲウツボ(座間味)

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スズメダイ類では3種が当てはまった。セナキルリスズメダイ(左上)はその名のとおり背が黄色い。礁斜面に群がっている。シリキルリスズメダイ(右上)は尾が黄色い。サンゴ礁域の内湾に生息している。ソラスズメダイ(下)も尾が黄色いが、個体によっては尻ビレも黄色い。温帯域からサンゴ礁域まで広く分布している。

セナキ(奄美)、シリキとソラスズメ(座間味)

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スミレヤッコは断崖の壁などの隙間に生息している。警戒心が強く、隙間から出ても気配を感じるとすぐ隠れてしまうので、素早く対応しなければならない。

スミレヤッコ(奄美

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温帯域に生息するルりハタ。図鑑にはサンゴ礁域にも分布とあるが、見たことがない。生息数は多くないようで、伊豆で23回しか出会っていない。そのため自分のなかでは希少価値のある魚といえる。今回の「青と黄の魚」は、ルリハタを登場させたいがために考えた。ルリハタはハタ類とは異なり、ヌノサラシアゴハタ、キハッソクなどと同じグループで、いざというとき皮膚から粘液性の毒を出す。

ルリハタ(伊豆大島

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