スズメダイ科のオキナワスズメダイは全長約8cmで、八丈島および和歌山県以南の西部太平洋、インド洋に分布している。緑がかった体色で、背ビレ後部の付け根にクリーム色の斑紋と尾ビレ上下に黒帯があり、頭部が黄色味を帯びているのが特徴。
オキナワスズメダイ(座間味)
オキナワスズメダイが注目を浴びることはほとんどない。その理由として、人気のダイビングポイントから少し離れたところにいるため、目にする機会がないからだろう。群れてる姿もあまり見られない。
群れを見られるのは少ないオキナワスズメダイ(座間味)
以前から不思議に思っていたのは、体の色がやや異なるオキナワスズメダイがいること。頭部が黄色っぽくないのだ。一見マツバスズメダイのようだが、サンゴ礁域には分布しないはずだし、尾ビレの黒帯の長さも違う。したがって、オキナワスズメダイのバリエーションと思っていた。このタイプもあまり行かないポイントにいる。
バリエーションらしきオキナワスズメダイ(座間味)
座間味では2タイプ見られることになるが、他の海域ではどうなのかは先述したようにほとんど話題にならないので、結論が出ないでいる。
今回改めて図鑑や画像を見直し、オキナワスズメダイとマツバスズメダイの特徴を確認してみた。オキナワスズメダイの背ビレ後部のクリーム色の斑紋と、胸ビレ付け根の青い斑点は本種特有のものとわかった。頭部の黄色だけならまだしも、斑紋などの色の違いはバリエーションとするには無理があるのではないだろうか。マツバスズメダイの沖縄タイプとしたほうが自然な気がする。
胸ビレ付け根の青い斑点も本種の特徴(座間味)