大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2017-01-01から1年間の記事一覧

「ダーウィンが来た!」放送日決定!

6月から7月にかけ、座間味島でひたすらチンアナゴを観察・撮影した。NHK「ダーウィンが来た!」のロケで、期間は35日にわたった。いよいよ編集等の作業が終わりに近づき、放送日が決まったと連絡があった。 チンアナゴのコロニー ちなみに11月11日は何の日か…

東京てんてこ舞い生活

東京に移って6日が過ぎた。まだ部屋は荷物だらけで、身動きが取れない状態。つくづく整理整頓が苦手だと痛感。それでも生活しなければならないので、後回しになってしまう。数か月かかるかもしれない。 朝焼け(10月2日午前5時半、厩橋から) 蔵前、浅草、両…

横浜の思い出

唐突だが、近々東京へ引っ越すことになった。3年契約なのだが、1年早く出ることにした。というのは、住んでみてわかったことがいくつかあったのだ。 部屋から花見ができた('16年4月) 道路に近いので夜中までうるさいうえ、揺れることもある。建物が古いた…

一切でダイビング(最終回)

最後のダイビングは、初日にも潜った平バエ。またアケボノハゼを教えてくれた。 アケボノハゼと「アケボノの間」 前回撮ったのでスルーしようとしたが、泊めていただいている部屋が「アケボノの間」なのを思い出した。アケボノハゼの「表札」も貼ってあるの…

一切でダイビング(6)

早くもダイビング最終日。1本目エントリーしてガイドさんを待っていたら、岩の上でタカサゴスズメダイが産卵していた。 タカサゴスズメダイの産卵 最初は雌雄が並んでの産卵だったが、近寄ったらメスが離れてしまった。また来て産卵したものの、ピタリと寄り…

一切でダイビング(5)

大月町の海は黒潮の影響を強く受けているため、サンゴ礁域の魚類もじつに多い。 ハダカハオコゼ 一部分だけ見ていると、沖縄や奄美で潜っていると錯覚してしまうほどだ。 ヒレナガハギの幼魚 ヒレナガハギの幼魚を見つけた。わりあい好きな魚で、見つけると…

一切でダイビング(4)

台風が過ぎて少し穏やかになった。とはいえ、沖のほうはまだ波があるので、18日の1本目は港の中というか出口近くにあるポイント 人なつこいマダイの若魚 さすがに濁りがあり、2mも離れると見えなくなる。沖に移動していると、マダイの若魚が数尾付いてくる。…

一切でダイビング(3)

18日は台風一過。青空で気持ちがいい。では、15日2本目の続き。 浅いガレ場にはイラが5~6尾いた。この辺りをエサ場にしているようだ。イラの行動を観察するのは実におもしろい。他のイラが近寄って来ても気にしないこともあるのだが、追い払う場合もある…

一切でダイビング(2)

台風は17日17時ごろが大月町に最接近、しかも直撃の予報。先ほどまで強風だったが、今現在ピタリとやんだ。台風の目に入ったのだろうか。 16日は海に出られず、四万十川上流にある温泉に行ったので、15日2本目の様子を。2本目は平バエというポイント。 オジ…

一切でダイビング(1)

高知県幡多郡大月町に来ている。一切(いっさい)という港町に「SUKUBA HAUSU K's」というダイビングサービスがあり、少し離れたところにあるクラブハウスに宿泊させていただいている。 終点宿毛駅に着いた南風13号 14日16時49分高知駅発の特急南風13号で宿…

15年前にタスジフグ!

フィルムの整理をしていたら、見慣れぬフグがあった。アラレフグかモヨウフグだと思い込んで、そのままにしておいたようだ。 '02年に撮影したタスジフグ 撮影地は奄美大島で、2002年6月撮影と記してあったので15年前のもの。 アラレフグ(上)とモヨウフグ …

コモドはやっぱり楽しい!(最終回)

キャステルロックではミズガメカイメンの放精は見られたものの、回遊魚が少なかったということで翌朝また潜った。 入り乱れて移動する魚群 今度はクリスタルロックと同じように魚群が入り乱れていた。 ハギ類の中に入るロウニンアジ やはりロウニンアジがウ…

コモドはやっぱり楽しい!(6)

もう一つの人気ポイント「クリスタルロック」に入った途端、おびただしい数の魚群が行き交っていた。 数種の魚群が行き交う ウメイロモドキやクマザサハナムロ、ハギ類などで、おそらくロウニンアジなどの回遊魚がやって来ているのだろう。 大型のロウニンア…

コモドはやっぱり楽しい!(5)

北エリアは、フローレス島西端の港町・ラブハンバジョーからもデイトリップができるため、ダイビングボートがとても多い。 ニセクロホシフエダイ 特にシーマウントの2か所のポイントは大人気のため、ダイバーだらけになることもしばしば。したがって、潮とタ…

コモドはやっぱり楽しい!(4)

クルーズ船は北に移動。中間エリアのピンクビーチ近くに着いた。赤いサンゴが長い年月かけて細かく砕け、白砂とまじってピンクに見えるのだ。 ピンクのビーチとカクレクマノミ 南エリアのように、ウミシダやヤギ類、ホヤ類がよく見られる。カクレクマノミが…

コモドはやっぱり楽しい!(3)

夜の間にリンチャ島南端から西に移動し、コモド島の南端へ。ここには有名なマンタポイントがある。すでにクルーズ船が6隻来ていた。 ムスジコショウダイ 朝食前に1本潜る。マンタはクリーニングステーションかプランクトンが集まりやすい水面か、流れが速い…

コモドはやっぱり楽しい!(2)

南エリアには、コモドドラゴンが出現するビーチがある。餌づけは禁止なのだが、各クルーズ船はお客さんに見せるためにしているらしい。その証拠に、ボートのエンジン音がすると、どこからか集まってくる。 泳ぐコモドドラゴン 今回も6匹やって来た。昨年は4…

コモドはやっぱり楽しい!(1)

コモド諸島ダイブクルーズに行ってきた。今回もダイブドリームインドネシアさんのツアーで、いろいろお世話になった。クルーズ船はこれまでの「シーサファリ」ではなく、「HATIKU(ハティク号)」という名の新しい帆船。 新たなクルーズ船「HATIKU」 北エリ…

好きな魚の写真は…(その2)

ヤギの仲間はあまり研究が進んでいないため、種名がわからないものが多い。 ヤギの仲間とシンジュタマガシラ それでもいろいろな形や色があって魅力的な被写体だ。ヤギの仲間には、魚が居ついていることがよくある。 撮影場所はラジャアンパット サンゴの上…

好きな魚の写真は…(その1)

ダイビングを始めたころ、無脊椎動物に関心を持った。イソバナ、ウミトサカ、ヤギ、カイメン、サンゴなどで、どうしてこのような動物がいるのか不思議でしかたなかった。 カイメンの中に(コモド) フラッシュを当てると鮮やかなものが多いので、以来よく魚…

オウギチョウチョウウオの意外な生態

オウギチョウチョウウオは、アフリカ東岸から中部太平洋に至る広い範囲に分布している。しかし、日本ではあまりお目にかかれない。沖縄あたりが北限だからだろう。 オウギチョウと分布図(コモド) 80年代はしょっちゅう座間味に行っていたのだが、会えない…

クログチニザの擬態について

ニザダイ科のクログチニザは藻食性で、全長約25cmになる。西部太平洋から中部太平洋にかけてのサンゴ礁域に生息する。 クログチニザの成魚(奄美) どの海でもよく出会うので、種として繁栄しているのだろう。その理由は、幼魚期に擬態するからと考えられて…

セジロとスカンク

世界に約26種いるクマノミ類の中で、よく似た種もかなり多い。そこでセジロクマノミとスカンクアネモネフィッシュを比較してみたい。 セジロクマノミとその分布(座間味) セジロクマノミの体色は黄色がかったオレンジで、白帯が口から背中を通って尾ビレあ…

最近届いた本

このところいろいろな本が送られてきた。その1冊がかねてより話があった、写真絵本の中国版だ。 中国版の写真絵本 昨年春に出版した『うまれたよ!クマノミ』(岩崎書店)がそれで、中国版はやや版が小さい。カバーもハードではなくソフトなので、全体的に薄…

併泳するカスミアジの若魚

カスミアジは成魚になると単独ないしは数尾のグループで行動するようになる。小魚が群れている場所にやってきてハンティングする。 オジサンとカスミアジ しかし、全長約20cm未満の若魚は、他の魚と行動を共にすることがよくある。特にヒメジ類やベラ類と一…

暑中お見舞い!

ということで、涼しくなるような写真を集めてみた。 コバンアジ(座間味) ビーチの浅瀬に現れたコバンアジ。水面の波が海底に模様を描いていた。 ウスコモンサンゴ(座間味、'93年) 座間味の安慶名敷島(アゲナシク)のそば、水深2~3mのところにウスコモ…

海外のネムリブカ

日本のネムリブカが岩穴などの暗がりにいるのに対し、海外ではわりあい開けたところに着底していることが多い。 開けたガレ場にいる(ラジャアンパット) 思い出してみても、岩穴などにいるところを見た覚えがない。 岩のそばの砂地に(ニューカレドニア) …

ニッポンのネムリブカ

ネムリブカは海底でじっとしていることが多いため、その名がある。全長は約150cmで、サメ類としては小型の部類になる。 確かに眠っている(座間味) 通常サメは泳ぎ回ることによって呼吸ができるわけだが、ネムリブカなどのような動かないサメは、噴水孔とい…

ハマクマノミの幼魚について

先日座間味で、ハマクマノミを入れた風景写真を撮った。タマイタダキイソギンチャクに成魚が1尾だけかと思ったら、全長約2cmの幼魚もいたのだ。 ハマクマノミ(座間味) この写真では成魚の右、体長とほぼ同じ距離にいるのがわかるだろうか。白枠内が同一個…

ヤスジチョウの地域変異

チョウチョウウオ科のヤスジチョウチョウウオは、黄色地に黒の線が8本入っているのでその名がある。しかし7本は確認できるのだが、あと1本は尾ビレの薄い線なのか、それとも顔にある鼻筋の黒線なのかは定かでない。 最も多いタイプ(チェンデラワシ) それは…