大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

セジロとスカンク

世界に約26種いるクマノミ類の中で、よく似た種もかなり多い。そこでセジロクマノミとスカンクアネモネフィッシュを比較してみたい。


セジロクマノミとその分布(座間味)                                             

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セジロクマノミの体色は黄色がかったオレンジで、白帯が口から背中を通って尾ビレあたりまである。これが和名の由来になっているが、よく見ると背ビレは白ではなく、黄色い。










産卵の準備をするセジロクマノミ奄美)                                             

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セジロクマノミの宿主(しゅくしゅ)はアラビアハタゴイソギンチャク。日本ではこの種だけだが、海外ではシライトイソギンチャクにも住む。産卵はそばの岩にするが、その際イソギンチャクの触手をくわえて収縮させ、露出した岩をつついて掃除する。








スカンクアネモネフィッシュ(スミラン)                                          

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一方スカンクアネモネフィッシュの体色はピンクがかった肌色で、腹部は黄色味を帯びている。背中の白帯はやや細いが、背ビレも白いところがセジロクマノミと違う点だ。宿主はセンジュイソギンチャクが大部分で、稀にアラビアハタゴイソギンチャクにも住む。分布はアフリカ東岸とタイからインドネシアとかなり広い。






産卵の準備(タイ・プーケット)                                            

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スカンクアネモネフィッシュが産卵床を掃除している場面に遭遇した。興奮しているためか、オス(右)の腹部は濃い黄色になっていた。




 







セジロクマノミPNG・ミルンベイ)                                             

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パプアニューギニアのミルンベイで出会ったセジロクマノミは、体色や白帯の太さがスカンクアネモネフィッシュのようだった。ただ分布域がセジロのそれだし、シライトイソギンチャクに住んでいたのでスカンクではないのは明らかだが、かなり紛らわしい。