大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

暖かいのは苦手・ミナミゴンべ

ゴンべ科オキゴンべ属のミナミゴンべは全長約12cmに達し、相模湾以南の西部太平洋に分布している。赤茶系の斑紋が全身に入り、目の後ろに目玉模様がある。斑紋の色や形は、個体によって多少異なる。 ミナミゴンべ(三宅島) 80年代初めごろ、沖縄の慶良間諸…

トンガリサカタザメ科の新種

きのう(25日)夕方のNHKニュースで、水族館に展示中のエイが新種だったと報じた。 エイの新種が見つかったというNHKニュース その水族館とは鹿児島県の「いおワールドかごしま水族館」で、展示されていたトンガリサカタザメが新種だったというのだ。開館当…

混沌・アラレキンチャクフグの軌跡

1995年、奄美で見慣れぬフグを撮影した。特徴は背ビレつけ根に目玉模様があること。当時日本の魚類図鑑には載っていなかった。その直後に入手した海外の図鑑(94年発刊)には載っていて、英名はFalse-eye pufferで、学名はCanthigaster papua だった。英名は…

ダンダラスズメダイについて

スズメダイ類には主に藻類を食べるものもいる。ダンダラスズメダイもその一種。全長約15cmで、琉球列島以南の西部太平洋に分布している。生息場所は、岩やサンゴの根元に藻類が繁茂している内湾。日本では八重山諸島に多い。 藻が繁茂している環境に住むダン…

最近読んだ本

①『温暖化で日本の海に何が起こるのか』(山本智之著 講談社刊) 知人の朝日新聞社記者・山本氏から新刊(上記)を出したとの連絡があった。氏は5年前にも『海洋大異変』(朝日新聞出版)を出版していて、その続編と捉えることもできる。 本書は、気候変動に…

人気者・ミナミハコフグ裏話

今でこそ黄色に黒い斑点の幼魚を知らないダイバーはいない。そう、ミナミハコフグだ。しかし、80年代初めまではハコフグと混同されていた。ミナミハコフグが新種記載されたのは1758年とかなり昔。それからなんと226年後,『日本産魚類大図鑑』(1984年発刊、…

シマタレクチベラの成長過程

ベラ科のシマタレクチベラは全長約40cmになり、伊豆半島以南の中・西部太平洋、インド洋に分布する。成魚が普通に見られるのは、奄美以南のサンゴ礁域になる。繁殖期になると、オスが数尾のメスを支配するハレムを形成する。 シマテレクチベラのメス(座間味…

NHKBS「ワイルドライフ」放送日決まる

7月にコロナ禍のなか、奄美大島へロケに行った。NHKBSプレミアムの「ワイルドライフ」の取材だ。「ワイルドライフ」は独自に取材する場合もあるが、多くは「ダーウィンが来た!」で取材したものをベースに、新たに取材した映像も含めて制作する。 ワイルドラ…

浅草にバーンガイカーディナル

ドン・キホーテの入口には、水槽がある。お馴染みの海水魚がいたり、入れ替わったりするので、浅草店の水槽はときどきチェックしている。先日、なんとバーンガイカーディナルフィッシュが入っていた。超レアな魚をなぜ入れることができたのだろうか。 ドン・…

街なかの弱肉強食

昨日、近所で衝撃的な出来事に遭遇した。 4時少し前、横網町公園に差し掛かかると、けたたましい鳥の鳴き声。木の葉で見えないが、10羽くらいだろうか。ヒヨドリの声より大きい。威嚇の声だと直感。周囲を見ると案の定、1羽のカラスがいた。縄張りから追い出…

写真集制作で不思議な巡り合わせ

(株)岩崎書店から出版予定の写真集『サンゴ礁の海 生きるための知恵くらべ』。新型コロナによる影響などで出版が遅れているが、予期せぬ出来事も重なって印刷会社を替えることになり、さらに遅れることに。 写真集『サンゴ礁の海 生きるための知恵くらべ』…

ワニゴチとエンマゴチ

コチ科にワニゴチという種がいる。全長60cmに達し、砂底やガレ場に生息する。1991年春にパラオでワニゴチを撮影し、その年に出した写真集『Marine Blue』にその写真も載せた。 写真集とワニゴチとして載せたページ(パラオ) その後コチ類の研究が進み、90年…