大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

最近読んだ本

①『温暖化で日本の海に何が起こるのか』(山本智之著 講談社刊)

知人の朝日新聞社記者・山本氏から新刊(上記)を出したとの連絡があった。氏は5年前にも『海洋大異変』(朝日新聞出版)を出版していて、その続編と捉えることもできる。

本書は、気候変動による海洋異変について詳しく書いている。地球温暖化によって海水温が上昇するとサンゴの白化のみならず、海水も酸性化して多くの生物に悪影響をもたらすという。こうした記事は、各研究者の研究データや資料が基になっているので説得力があり、グラフや図、写真などあるので理解しやすい。

温暖化で日本の海に何が起こるのか』と『海洋大異変』

f:id:youjiuo:20200920205624j:plain

 

②潜水士の道(鉄 芳松著 マガジンランド)

静岡市清水で潜水工事の会社を営む鉄氏(80歳)の自叙伝。父親が創めた潜水会社を継ぐため、師匠である父に弟子入りするところから始まる。サブタイトルに「五人の師匠から海の未来へ」とあるように、各師匠からの教えや言葉を重く受け止め、さまざまな出来事の年月が正確に書かれている。師匠の教えの一つに日記を付けよとあり、守ってきた証だろう。また、「一期一会」の言葉がよく出てくる。出会いを大切にし、教わったことを素直に実践する実直な姿が浮かぶ。鉄氏とは同じ潜水指導団体なので何度かお会いしたし、アイアンダイビングクラブ創立15年の際、記念講演をしたことがある。

『潜水士の道』

f:id:youjiuo:20200920205643j:plain

 

本所おけら長屋(畠山健二著 PHP研究所)

小説はめったに読まないのだが、書店に無料の試し読み(1話だけの薄い本)があった。それがきっかけに。おけら長屋があるのは本所亀沢町(現在の墨田区両国)なので、いま住んでいるあたり。親近感が湧かないはずがない。おけら長屋の住人は、貧しいくせにお節介、そそっかしいけど情に厚い、など典型的な江戸っ子気質。いろんな事件(?)があっても、人情や絆でおもしろおかしく解決していく。そうした中に、教訓や格言などが隠れていて、人としての生き方が学べる。『本所おけら長屋』シリーズは十四あり、9/25に十五が出る予定とか。まだまだ読んでみたい。

本所おけら長屋』第一巻と試し読み版

f:id:youjiuo:20200920205701j:plain