大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

トンガリサカタザメ科の新種

きのう(25日)夕方のNHKニュースで、水族館に展示中のエイが新種だったと報じた。

エイの新種が見つかったというNHKニュース

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その水族館とは鹿児島県の「いおワールドかごしま水族館」で、展示されていたトンガリサカタザメが新種だったというのだ。開館当初から20年飼育しているが、飼育員も気づかなかったとか。トンガリサカタザメと比べると頭部が丸まっているらしい。これに気づいたのは高知県にある「黒潮生物研究所」などの研究グループ。調査した結果、新種と判明した。

新種と報じたニュース

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トンガリサカタザメ科は日本にトンガリサカタザメとシノノメサカタザメの2種が分布している。体型も名前もサメのようだが、エイの仲間。サメとエイはエラあなの位置で見分けられる。腹側にあるのがエイで、サメは横にある。

トビエイ科のナンヨウマンタ(上)とメジロザメ科のツマグロ

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トンガリサカタザメは奄美で初夏になると決まった場所に出現する。何度も出会って撮影しているが、警戒心が強いので近寄るのが難しい。岩に隠れて近寄って撮ったのがこれ。

トンガリサカタザメのアップ(奄美

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今回新種になったトンガリサカタザメは体の裏が真っ白で、三角の布をつけたオバケに見えることから「モノノケトンガリサカタザメ」と命名された。違いがわかりにくいので、海で出会っても見分けるのは困難だ。とはいえ、かごしま水族館黒潮生物研究所のどちらにも知り合いがいるので、身近に感じたニュースだった。

モノノケトンガリサカタザメ(上)とトンガリサカタザメ(奄美

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