大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ざんねんな魚たち

『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)が大好評だ。シリーズ化され、累計で380万部突破したとか。うらやましい。「進化のふしぎ」「意外な一面」「ざんねんすぎて 愛おしい」というコンセプトで、わかりやすく書かれているのが受けたのだろう。「サイの角…

魚の縦縞・横縞について

魚の体色・斑紋にはいろいろあるが、縞模様が多いのはなぜだろう。陸上の動物ではシマウマくらいしか思い浮かばないので、やはり魚は特別なのかもしれない。ざっと見ただけでもこんなに縞模様の魚がいる おなじみのタテジマキンチャクダイだが、縞模様が横に…

日本酒を楽しむ会

きのう久々にダイビング仲間と飲んだ。恒例になっている「日本酒を楽しむ会」で、第4回目になる。当初は4月初旬の予定だったが、延期になっていたのだ。実施するうえで感染防止策を考慮したことはいうまでもなく、「新しい飲酒様式」。会場はメンバーが住む…

ピースボート出航断念

新型コロナウィルスによる影響はいろいろなところに出ている。「ピースボートの船旅」もしかり。ピースボートとは1983年に設立されたNGOで、客船をチャーターして乗客を募り、地球一周の船旅を通して国際交流や平和活動などを行っている。今年春からはオーシ…

とっておきの海岸風景

夕焼けに続いて海岸風景の写真を。水中写真を専門にしていると、水中に重点を置くため、陸はおざなりになってしまう。特にフィルム時代は撮影枚数に限りがあったからで、デジタルに変わってからは陸も撮りやすくなった。30年くらい前に海中公園の取材で全国…

とっておきの夕焼け

写真が撮りやすい自然現象といえば夕焼け。いつでもどこでも起こるうえ、誰でも見ることができる。ただ気象条件や時刻によって、色合いがかなり異なる。雲の量や浮かぶ高さによっても違うようだ。ということで、これまで海で撮影したとっておきの夕焼けを…。…

ニセネッタイスズメダイの生態

初夏は多くの魚の繁殖シーズンに当たるため、例年は必ず海に行っていたのだが…。 ということで、この時季確実に見られる繁殖生態を紹介しよう。スズメダイ科のニセネッタイスズメダイは全長約8cmで、奄美大島以南の西部太平洋に分布している。鮮やかな黄色の…

キンチャクダイと錦江湾

キンチャクダイ科のキンチャクダイは、魚類図鑑によると東アジア温帯大陸棚域沿岸固有とある。温帯種ということだろう。分布は山形県および千葉県以南~九州南岸、済州島、台湾、中国沿岸、ベトナムで、奄美や沖縄のサンゴ礁域では見られない。本種は成長と…

浅いところが苦手な魚たち

前回とは反対に、深いところでしか見られない魚を取り上げてみよう。モンキキンチャクフグは水深20mより深場に生息する。座間味島では30mくらいで撮影したことがある。一方、奄美大島ではわりあい浅いところに出現する傾向があり、これは15mくらいだった。モ…

深いところが苦手な魚たち

ムラサメモンガラを撮りたくても、見つけられないことがあった。数十年前の話だが、探す場所が悪かったのだ。ボートダイビングでは、エントリーすると深く潜行しがちになる。その後ビーチエントリーしたとき、水深2~3mにいたのだ。浅瀬に住む習性をもつ種も…

魚の死骸を見かけないワケ

ダイビング中、魚の死骸を見た人はほとんどいないのではないだろうか。魚も病気やケガはするし、寿命もある。目につく魚はとても多いにもかかわらず、死骸はまずない。これまで見たのは約8個体。漁網にかかったり、釣り人が捨てたものは除いている。数千本潜…