前回とは反対に、深いところでしか見られない魚を取り上げてみよう。モンキキンチャクフグは水深20mより深場に生息する。座間味島では30mくらいで撮影したことがある。一方、奄美大島ではわりあい浅いところに出現する傾向があり、これは15mくらいだった。
モンキキンチャクフグ(奄美)
ハナダイ類は生息水深の幅が実に広いが、ニラミハナダイは特に深場に生息する種。これは初めて座間味で出会ったとき撮影したもので、水深40mだった。
ニラミハナダイのメス(座間味)
スジハナダイもわりあい深場に生息する。伊豆大島では30mくらいのところにいた。
スジハナダイのオス(伊豆大島)
ヨコシマニセモチノウオも水深25mより深いところに生息する。新種記載は1999年で、マーシャル諸島から得られた標本が基になっている。日本初記録はその1年後で、伊江島から得られた標本を基に「伊豆海洋公園通信」に記載された。そのときに和名が付けられたわけだが、ヨコシマは幼魚期に「横縞模様」があるため。日本の分布は小笠原諸島、八丈島、伊江島、久米島、宮古島、西表島、奄美大島。
ヨコシマニセモチノウオ(奄美)
スズメダイ類も生息水深の幅が広い。アオスジスズメダイは水深25mより深いところに生息する。頭部の青い帯が輝いているので、深くてもよく目立つ。
アオスジスズメダイ(西表島)