ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに、愛媛県・愛南町の地域活性化の取り組みが紹介されていた。
愛媛県・愛南町地域活性化の紹介ページ(ナショジオのメルマガより)

愛媛県愛南町は、2004年に南宇和郡4町1村が合併して誕生した。昔から漁業が盛んで海の幸に恵まれていたものの、過疎化や後継者不足が懸念されたため、漁業、水産業を軸に、農林、観光、飲食、教育・研究関連などの関係者と一体になり、まちの活性化に取り組んだ。その結果、2023年、水産庁の「海業(うみぎょう)振興モデル」に選出された。2025年3月には〝魚で町をうるおす〟をモットーに一般社団法人 Umidasu(うみだす)を設立し、活動している。

愛南町は、合併当初より「ぎょしょく」教育に取り組んできた。魚触、魚職、魚殖、魚植、魚食の概念で、一連の学習プログラムを体系化したものだという。
また、その一環として『えひめ愛南お魚図鑑』(愛南町発行)を2010年に制作している。1000種以上の魚種を収録したA4版249ページの豪華な図鑑だ。制作スタッフの一員が知り合いのH夫妻で、完成時に贈ってくださった。教育教材としてこんな立派な図鑑を制作するなど、愛南町の食育に関する本気度が感じられる。
『えひめ愛南お魚図鑑』表紙と裏表紙

愛南町の海域は宇和海海中公園に指定されていて、合併前の1999年に取材している。海底には鮮やかなトゲトサカ類が繁茂し、魚類も多く見られた。よい海にもかかわらず訪れるダイバーは多くなかった。当時はPR不足だったように思う。また、交通不便な地域でもあるので、今後観光客を呼び込むには、そのあたりを改革する必要があるだろう。
愛南町の海中。赤いトゲトサカとクロホシイシモチおよびスズメダイ
