大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ニジギンポの繁殖について

イソギンポ科のニジギンポは、温帯域から熱帯域まで広く分布している。オスの全長約12cmで、メスは約8cm。白と焦げ茶色のスジ模様があるが、体色はよく変化する。


ブイの周りに群がるニジギンポ奄美
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ブイやロープがあると、大抵多くのニジギンポが近くで漂っている。











空き缶を確保したオス(座間味)                                                
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繁殖期は4月から11月で、オスは貝殻や小さな岩穴、空き缶、空き瓶などを確保して縄張りを持つ。メスを誘って産卵するわけだが、そういった産卵場所が持てないオスもいるらしい。









シャコガイの殻に産んだ卵を守る(奄美
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産卵場所にメスを複数誘って産卵し、卵の世話はオスが行う。水温によってふ化までの日数は異なるが、だいたい8日前後。










メスがオスに求愛(柏島
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『えひめ愛南お魚図鑑』(愛媛県愛南町)は、宇和海で魚類を研究している研究者の観察記録も掲載されている。それによると、宇和海のニジギンポは、繁殖期の初期と後期にはオスがメスに求愛するものの、最盛期の58月はメスから求愛を行うという。







メスが猛烈にアピール(柏島
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その理由は、最盛期には空いている巣を持つオスが少なくなるからで、早く産んで繁殖を繰り返したいからのようだ。これを読んで、わりあい近くの柏島で積極的なメスがいたことに納得したのだった。