大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

クサビベラのエサの捕り方

ベラ科イラ属のクサビベラ。三角形の楔(くさび)に似た模様があるためこの名が付いた。大きさは約35cmで、奄美大島以南の西部太平洋に分布している。


黄色い模様が由来のクサビベラ(コモド)

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サンゴ礁域の内湾のガレ場に生息し、貝類や甲殻類などの底生生物をエサにしている。奄美で見たことはあるが、警戒心が強くて撮影できなかった。イラと近縁なのに警戒心が強いのは、生息数が少ないからだろう。










エサを探すクサビベラ(コモド)                                            

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インドネシアのコモド諸島では比較的生息数が多く、警戒心もないので近づける。黄色い楔模様は、個体によって形が異なる。



 







石をどかす(コモド)
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石やサンゴのガレキをどかして潜んでいるエサを食べる。そのため鋭い歯がある。




 







大きなガレキをひっくり返す(コモド)
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NHK6/3に放送された「ブループラネットⅡ」にも本種が登場した。見つけた貝をくわえたままいつもの場所に運んで行き、岩にぶつけて割るという方法。割れるまで何度も繰り返す。下には、これまでたくさん割って食べた証が散らばっていた。この映像を見て、よくここまで克明に捉えたものだと感心した。







これからも捕食行動は見逃せない(コモド)
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コモド諸島で何度もクサビベラに出会っているが、貝をくわえたところは見ていない。大抵は一口で呑み込める小さな獲物だけだった。今度は大きな貝を食べるところを見てみたいものだ。