大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アオヤガラの賢い捕食戦略

ヤガラ科のアオヤガラは北海道以南の太平洋、インド洋、紅海に広く分布する。全長約1.5mに達するが、通常見られるのは1mくらいが多い。小魚や小型甲殻類を水ごと吸Iい込んで食べる「吸引捕食」を行う。細長い体をしたアオヤガラ(紅海) 小魚の群れに突進し…

フタイロハナゴイについて

1982年ごろ、座間味で見たことがないハナダイを撮影した。当時『日本産魚類大図鑑』を制作中だった益田一氏にお会いする機会があったので写真を見ていただくと、79年に新種記載されたハナゴイで、学名の種小名は「bicolor」だと教えてくれた。フタイロハナゴ…

コダクローム 懐かしい思い出

デジタルになる前はリバーサルフィルムだった。そのときの気分でコダックかフジを使い分けた覚えがある。こだわる人はコダックのコダクローム(KR)を愛用。極超微粒子で深みのある色合いとカタログにはあるが、地味な色調ともいえる。長年経過しても褪色が…

アズキハタの体色

ハタ科のアズキハタは全長約45cmで、琉球列島以南の太平洋、インド洋にに分布している。日本ではあまり出会っていないので、生息数が少ないのだろう。小豆に似た斑点があるのが和名の由来。小豆模様のアズキハタ(コモド) アズキハタは体色をよく変える。白…

ソメワケベラの習性

ベラ科ソメワケベラ属はソメワケベラ、ホンソメワケベラを含む4種が日本に分布している。ソメワケベラが属名なので、最初に発見されたものと思っていたら、ホンソメワケベラが86年も先だった。それはともかく、ソメワケベラは伊豆諸島以南の中・西部太平洋、…

フエヤッコダイの3尾行動説

チョウチョウウオ科のフエヤッコダイは黄色い体、そして細長い口が特徴。全長約15cmで、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。成魚がよく見られるのは奄美以南のサンゴ礁域。単独ないしペアで行動しているが、時折3尾でいることもある。3尾のフエヤ…

ハナキンチャクフグについて

フグ科のハナキンチャクフグは、近縁のシマキンチャクフグと混同されていた経緯がある。そのため図鑑によって分布がまちまち。「小笠原諸島・琉球列島以南の熱帯域に分布」と書かれてもいるが、実際は相模湾以南。大瀬崎で越冬も確認され、シマキンチャクフ…

平和的な決着法・大きさ比べ

同種の魚の縄張り争いは、にらみ合ってからつついたり、噛みつくことが多い。しかし中には、平和的な方法をとるものもいる。体の大きさを比べるのだ。本来動物は体が大きいほうが強いとされてきた。体格差が少ないとき、互いにすれ違うかたちで比べ合い、小…

ねずみでスタート

今年の干支はねずみ。ねずみを冠した魚はネズミザメ、ネズミゴチ、ネズミギンポなどだが、写真があるのはネズミフグだけだった。ハリセンボン科で、青森県以南の全世界の熱帯海域に分布する、と図鑑には記されている。白っぽい体に黒点が特徴のネズミフグ(…