大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

殿様だ~い!

チョウチョウウオ科は日本に50種以上分布している。ほとんどはトゲチョウチョウウオなどのように「チョウチョウウオ」と付く。しかし、付かないものもいる。



トノサマダイのペア(コモド諸島)

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ユウゼンのように由来がわかるものもいるが、なぜそのような和名になったのかわからないものも。チョウハンやトノサマダイなどだ。









分布図とペア(ラジャアンパット)
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トノサマダイは日本中部以南の西部太平洋に分布するが、成魚が見られるのはサンゴ礁域で、奄美諸島以南だろう。かなり分布は広範囲で、東はフィジーあたりまで。たいていペアで行動している。








3cmの幼魚(奄美                                                                       

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幼魚は内湾のサンゴの中に住む。全長5~6cmを過ぎるとサンゴ礁や礁縁、ガレ場などに生活の場を広げる。エサはサンゴのポリプが主だが、藻類や小型の甲殻類なども食べる雑食性のようだ。








 ウミカラマツのそばに(奄美)                                                                    

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奄美ではだいたい決まった場所に出現する。というよりはその近辺が住み場所なのだろう。黒崎東というポイントで、水深約23mあたりに大きなウミカラマツがあり、クダゴンベがいたり、近くにはホタテツノハゼもいるのでよく行き、そのときにトノサマダイと出会うのだ。






献上品のイカの卵(奄美

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4月になると、そのウミカラマツにイカの卵が産み付けられることがある。卵の形からするとアオリイカだろう。トノサマダイはそれをつついて食べる。卵はたくさんあるので、食べきれないほどだ。不思議と他の魚は食べに来ない。
「殿様」への献上品だからだろうか。