大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ヤリカタギの生態

チョウチョウウオ科のヤリカタギは、駿河湾以南の太平洋、インド洋に分布しているが、主な生息域はサンゴ礁。サンゴのポリプを主食にしているからだ。縄張り意識が強く、単独でいることが多い。全長約18cmに達する。
同じポリプ食のミスジチョウチョウウオを追い払う(座間味)

f:id:youjiuo:20200226220402j:plain

 

幼魚は体の後ろに黒帯があり、尾ビレは黄色い。やはりポリプを食べるので、サンゴのそばに単独でいることが多いが、珍しく2尾でいたこともある。
幼魚も2尾でいるのは珍しい(座間味)

f:id:youjiuo:20200226220419j:plain

 

成長すると体の後ろの黒帯は少しずつ小さくなり、やがて消える。その代わりに尾ビレが黒ずんでくる。
全長約12cmの若魚(プーケット

f:id:youjiuo:20200227101607j:plain

 

ヤリカタギは夜になると岩陰で眠るが、その際体側の中央に暗色の帯の中に白の細長い斑紋を現す。この岩陰はすで「満室」だという信号と考えられている。
夜のヤリカタギ(奄美

f:id:youjiuo:20200226220458j:plain

 

夕方、サンゴ礁で撮影していたら、どこからかヤリカタギが集まって来て、小競り合いが始まった。縄張り意識が強い種なので、2尾以上集まることなどめったにない。おそらく、寝ぐらを巡っての争いではないだろうか。
珍しく小競り合いをする(奄美

f:id:youjiuo:20200226220514j:plain