大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

タツウミヤッコについて

ヨウジウオ科ウミヤッコ属のタツウミヤッコは、全長約16cmで、伊豆半島琉球列島以南の西部太平洋、紅海に分布している。


保護色をしたタツウミヤッコ(奄美

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新種記載は1915年と古い。日本では90年代初めごろに宮古島、伊豆海洋公園、座間味島などで発見された。











浮遊している幼魚(伊豆海洋公園通信より)
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そして93年『伊豆海洋公園通信』(第4巻第8号)に日本初記録種として記載された。その際、新称タツウミヤッコと付けられた。『伊豆海洋公園通信』には、座間味で撮影された本種の幼魚の写真(小野篤司氏撮影)もあり、浮遊しているので驚いた記憶がある。








タツウミヤッコの幼魚(奄美)                                           

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タツウミヤッコを始めて見たのは奄美で、93年のこと。全長約6cmの幼魚で、ガレ場にじっとしていた。体色は明るい茶色で、大きな皮弁が横に突き出ている。浮遊していた写真とそっくりで、おそらく着底したばかりではないだろうか。









ペア?のタツウミヤッコ(奄美)                                            

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その後も奄美で何度か出会っているが、成魚ばかりだった。しかも体色は茶色で、ガレキの海底にいると保護色で気づきにくい。伊豆で見つかった個体の中には、体色が赤いものもいたのだが、奄美では全部茶色だった。









吻にも付いている(奄美)                                             

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タツウミヤッコの特徴は皮弁がたくさんあること。特に幼魚期は浮遊生活するうえでなくてはならないもの。成長して多少減少するが、それでも他のヨウジウオ類と比べると多い。吻の先にも細い皮弁がある。