大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マトウダイ 分布の謎

体の真ん中に目玉模様がある魚がいる。マトウダイ科のマトウダイで、漢字は「的鯛」。「マトダイ」といわれることもある。これまで真鶴、大瀬崎、柏島でしか出会っていないうえ、沖縄や海外では見たことがないため、日本の温帯域の固有種とさえ思っていたく…

ニシキフウライウオも多彩

ニシキフウライウオもカミソリウオ科で、全長約10cmほど。房総半島以南の西部太平洋、インド洋に分布する。1993年ごろまではフウライウオ(現カミソリウオ)の変異とする意見と、別種でゴーストパイプフィッシュとする意見があり、混乱があった。、94年に整…

バリエーション豊富なカミソリウオ

カミソリウオ科のカミソリウオは全長約8cmで、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。以前はフウライウオと呼ばれていたが、分類学的に混乱していたため1994年に整理され、和名がカミソリウオになった。同科は日本に3種分布し、他はニシキフウラ…

春告魚のサヨリ

春の訪れを告げる魚、いわゆる春告魚で有名なのはサワラ(鰆)。そのほかにもメバルが知られているが、地方によっていろいろあるようで、金沢ではサヨリだとテレビ番組で知った。サヨリ科は約10種いるが、国内では見た覚えがない。ダイバーがあまり行かない…

ウツボの意外な一面

獰猛というイメージのウツボ類だが、そんなことはない。いたずらなどをすると反撃することはあるものの、優しくすれば意外な一面を見せてくれる。今回はペア(?)になっているものを集めてみた。ペアといってもウツボ類は外見では雌雄の区別がつかないので、も…

オシャレハナダイについて

昔、クダゴンベの写真を「おしゃれな魚」というタイトルで水中写真コンテストに応募したことがある。格子模様が斬新だったからだ。それから17年後、「オシャレハナダイ」が出現した。インド洋のモーリシャス島から得られた標本を基に1994年新種記載されたの…

海の中のソーシャル・ディスタンス

新型コロナウイルスが流行し始めてから、クラスターだとかパンデミックとかロックダウンなど、やたら英語が出てきて高齢者はついていけない…が、ついていくしかない。ソーシャル・ディスタンスという言葉も出てきた。「社会的距離」で、感染拡大を防ぐために…

生息域による差(タテジマヤッコ編)

キンチャクダイ科のタテジマヤッコは、インド洋には分布していない。したがって、同じ太平洋の中のわりと狭い範囲で差がある。タテジマヤッコは、白地に黒のタテスジがあるのでこの名がある。オスは体側にスジが5~6本あり、尾ビレは白く、腹ビレは黒いいの…

生息域による差(ニシキヤッコ編)

同種にもかかわらず、生息する海域によって体色・斑紋が異なる場合がある。いわゆる地域変異だが、よく見ないと差がわからないものもある。キンチャクダイ科のニシキヤッコも地域変異はあるものの、微妙なのであまり知られていない。ニシキヤッコ(スミラン…

ハナミノカサゴの皮弁の謎

フサカサゴ科のハナミノカサゴは、房総半島以南の太平洋、インド洋に分布。全長約35cmに達し、岩礁やサンゴ礁に生息する。主に小魚などを捕食する。ミノカサゴとの違いは、尾ビレに黒斑があること、眼の上の皮弁(眼上皮弁)が長いことで区別できる。眼上皮…

レアな魚が集まるガレ場

奄美の大好きなダイビングポイントの一つが黒崎。水深6mから急斜面に沿って沖へ進むと、水深24mの平坦なガレ場になる。一般的なガレ場は、死サンゴが海底を覆っているのだが、ここはもともと砂地に小石が散在している。潮流で小石が動くため、サンゴは育たな…

新型コロナウィルスと魚

新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。連日コロナ関連のニュースばかりで嫌になってしまう。はやり始めてから聞きなれない言葉がいっぱい報じられた。濃厚接触とかクラスター、ロックダウン、オーバーシュート、パンデミックなどなど。そこで今回はコ…

ホワイトボンネットの真実

クマノミの仲間にホワイトボンネットアネモネフィッシュがいる。分布はパプアニューギニアとソロモン諸島の周辺で、1973年にオーストラリアのジェラルド・アレン博士によって新種記載された。ホワイトボンネットアネモネフィッシュ(パプアニューギニア) こ…

てっぺん大好き!

海の中には泳いでいる魚もいれば、あまり動かないものもいる。何かの上に乗っていても、とにかく一番上が好きという魚もいるので、そういったものを紹介しよう。まずはアカメハゼで、枝状サンゴの先端に乗っていることも多い。アカメハゼにとっててっぺんは…