奄美の大好きなダイビングポイントの一つが黒崎。水深6mから急斜面に沿って沖へ進むと、水深24mの平坦なガレ場になる。一般的なガレ場は、死サンゴが海底を覆っているのだが、ここはもともと砂地に小石が散在している。潮流で小石が動くため、サンゴは育たないのだ。こうしたガレ場には、珍しい魚が多く住み着く。
小石が散在するガレ場。このような環境を好むジョーフィッシュ
潮流が速くて潜れる機会は少ないのだが……ジョーフィッシュが巣穴を作っている場面に遭遇した。大きめの穴を掘り、中が完成したら入口を狭くするようだ。巣作りしているときはかなり接近できる。
巣穴を作るジョーフィッシュ
ガレ場にはホタテツノハゼも住んでいる。
ホタテツンハゼのペアとコトブキテッポウエビ
共生ハゼのヤノダテハゼもこのガレ場の住民(?)。奄美では10~11月が繁殖期のようで、メスにアピールするためにホバリングする。尾ビレがポイントなのだろう。
ホバリングするヤノダテハゼのオス
ニシキオオメワラスボも時折見られる。波打つように進んでは止まる泳ぎ方をする。接近すると素早く海底の小さな穴に隠れてしまう。
ニシキオオメワラスボ
ハワイトラギスもこのようなガレ場を好むようで、他の環境では見られない。奄美では3月からか11月くらいまでが繁殖期のようで、求愛行動が見られる。しかし、深いのでそれほど長く観察できないのが難点だ。
ハワイトラギスのオス(上)とメス。ハレムをつくるようだ