大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

生息域による差(タテジマヤッコ編)

キンチャクダイ科のタテジマヤッコは、インド洋には分布していない。したがって、同じ太平洋の中のわりと狭い範囲で差がある。タテジマヤッコは、白地に黒のタテスジがあるのでこの名がある。オスは体側にスジが5~6本あり、尾ビレは白く、腹ビレは黒いいのが特徴。
タテジマヤッコのオス(水納島

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メスは体側の黒いスジが3本で、一番上のスジが太く、尾ビレの上と下に黒スジがある。腹ビレは白い。 
タテジマヤッコの若いメス(奄美

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パプアニューギニアで出会ったタテジマヤッコのオスは、体側の黒いスジが太くて3本しかないのに驚いたことがある。このことについては、ほとんど取り上げれられていなかったからだ。
黒いスジが3本しかないタテジマヤッコのオス(パプアニューギニア

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ラジャアンパットでもパプアニューギニアと同じタイプだった。ラジャアンパットの位置的もニューギニア島の近くなので、島周辺がこのタイプなのだろう。
タテジマヤッコのオス(ラジャアンパット)

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メスはラジャアンパットでしか見ていないが、オスよりかは日本のものとあまり差はない。一番上のスジがやや太いだけだ。でもどうしてニューギニア島周辺の海域に住むものだけ差があるのか、不思議でしかたがない。
一番上のスジが日本のものより太いメス(ラジャアンパット)

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