大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ニシキフウライウオも多彩

ニシキフウライウオもカミソリウオ科で、全長約10cmほど。房総半島以南の西部太平洋、インド洋に分布する。1993年ごろまではフウライウオ(現カミソリウオ)の変異とする意見と、別種でゴーストパイプフィッシュとする意見があり、混乱があった。、94年に整理された際、別種とわかり、この名が付けられた。全身に細い皮弁があること、各ヒレに切れ込みがあること、縞模様があることなどが特徴。
赤系のニシキフウライウオ(富戸)

f:id:youjiuo:20200428145333j:plain

 

体の地色は半透明で、縞模様の色には赤、黒、緑、白などがあるが、単色にはならない。カミソリウオのように海藻に付くことはほとんどない。ウミトサカ、ウミシダ、ヤギ、ウミカラマツ、ウミショウブなどのそばにいることが多い。

オオウミシダに付く黒系のニシキフウライウオのペア(座間味)

f:id:youjiuo:20200428145353j:plain

 

住みつくものの色に合わせて変えることができるのだろう。海草のウミショウブに付いていたのは緑系だった。
ウミショウブに付くペア。オスのほうが緑っぽい(パプアニューギニア

f:id:youjiuo:20200428145418j:plain

 

白系もいる。カミソリウオにはない色だ。このときそばにあったのはクリーム色のカイメン。カイメンの色に合わせたのだろうか。
白系のペア(レンベ)

f:id:youjiuo:20200428145440j:plain

 

ペアで色が異なることもある。奄美で出会ったのはメスが赤系で、オスが黒系だった。黒いウミシダに付いていたので、オスはカムフラージュ効果満点だが、メスはよく目立ってしまう。やはりニシキフウライウオも奥が深い。
オスとメスで体色が異なる場合も(奄美

f:id:youjiuo:20200428145459j:plain