大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

春告魚のサヨリ

春の訪れを告げる魚、いわゆる春告魚で有名なのはサワラ(鰆)。そのほかにもメバルが知られているが、地方によっていろいろあるようで、金沢ではサヨリだとテレビ番組で知った。サヨリ科は約10種いるが、国内では見た覚えがない。ダイバーがあまり行かない内湾に生息しているようだ。
国内ではほとんど見られないサヨリモルディブ

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図鑑で調べても種の判別が難しいので、すべてサヨリとした。モルディブでは岸近くの水面で、10尾前後の群れがよく見られた。
群れで行動するサヨリモルディブ

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インドネシア・ラジャアンパットの「パッセージ」というポイントにある海底洞窟にサヨリがいるので、行くと必ずレンズを向けることしている。ここのサヨリは吻全体が赤いのが特徴。ふつうのサヨリは吻の先端だけが赤い。
吻が赤いサヨリ(ラジャアンパット)

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サヨリの学名はHyporhamphus sajori で、種小名がサヨリラテン語は j を y と発音)という。学名をまじまじと見たことはなかったので、この種小名にはびっくりした。新種記載されたのは1846年で、命名者は外国の学者なのだが、一体どうしてだろう。
学名もサヨリサヨリ(ラジャアンパット)

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