大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

図鑑写真が基本

「図鑑写真になっちゃったぁ」と言う人がたまにいる。あたかも図鑑写真を平凡でつまらない、とバカにしたような言い方だ。そういう人は、本当の図鑑写真を知らないのだと思う。


アミメフエダイ。典型的な図鑑写真
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図鑑用の写真は、当然ながら魚種を調べるためのもの。したがって、体型や体色・斑紋などその魚の特徴がわからないといけない。そのためには真横から撮るのが一般的だ。もちろん種によって例外もある。また、尾ビレも重要な部分なので、形がわかったほうが良い。

 
 




『ベラ&ブダイ』図鑑より
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以前取り上げた『ベラ&ブダイ』(加藤昌一著、誠文堂新光社)は、どの魚も真横から撮っていて、これぞ図鑑用写真のお手本というものばかりだ。図鑑用写真はいわば基本で、きちんとした図鑑写真が撮れないようではどのアングルもうまく撮れない、といっても過言ではない。






ハナゴンべ。環境と行動も大切
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背景を黒くすると魚の輪郭などははっきりするが、生息環境がわかりにくいという欠点がある。まぁ深いところや岩穴などに生息する場合はどうしてもそうなるので、それはそれで環境を伝えることになる。








ハタタテハゼのペア
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生息環境とともにどのような状況でいるのかもわかるように捉えれば、調べる人により親切だと思う。










『うまれたよ!クマノミ』より
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クマノミ類はメスのほうが体が大きいので、そう見えるように撮る必要がある。この写真は拙著『うまれたよ!クマノミ』の中で、日本に分布するクマノミ類の紹介のページ。こだわって撮影したものを集めた。
どんな写真でも極めるとなると奥が深い。図鑑用写真も同じだ。