タカノハダイ科は、1属3種日本に分布している。タカノハダイ属のタカノハダイ、ミギマキ、ユウダチタカノハの3種だ。同属は胸ビレが長く、海底で休む際に体を支えたり、エサを探るのに役立つ。エサはヨコエビ類などの小型底生動物。いずれも温帯域に適応している。
タカノハダイは全長約40cmになり、青森県~屋久島、朝鮮半島南岸、東シナ海沿岸、台湾に分布してる。茶色の縞と尾ビレの白い斑点が特徴。
砂地で休むタカノハダイ(大瀬崎)
ミギマキは全長約35cmになり、房総半島~奄美大島、台湾に分布している。体側や尾ビレ上部が黄色っぽいことと、口が赤いのが特徴。
南限のミギマキ(奄美)
ミギマキの幼魚は、砂地や岩場の陰などに単独でいることが多い。幼魚期はまだ黄色味も強くなく、口も赤くない。
全長約4cmのミギマキの幼魚(柏島)
ユウダチタカノハは全長約40cmになり、房総半島および新潟県~屋久島、朝鮮半島南岸、東シナ海・南シナ海沿岸、台湾に分布している。前2種よりも生息数が少ないうえ、やや深いところに生息するため、出会える機会はそう多くない。ミギマキに似るが、体色に黄色味がなく、口も赤くないことで識別できる。
ユウダチタカノハ(大瀬崎)
ユウダチタカノハの幼魚を最初見たときは、茶色い帯がタカノハダイのそれと同じだったので、てっきりタカノハダイと思っていた。詳しく調べてみたら本種であることがわかった。背ビレに黒点があるのが特徴。
全長約4cmのユウダチタカノハの幼魚(大瀬崎)