大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

海のカレンダー2024

今年も来年の海カレンダーをいくつかいただいた。まずは、写真展「海で逢いたい」メンバー有志で制作している「煌めきの海」と「ときめきの海」。この中でよかったと思う写真を取り上げたいが、その前にカレンダー用写真について考えてみたい。カレンダーは12か月間見るものなので、「気分が上がる」「癒される」写真がふさわしいのだが、それらを無視し、自分が気に入った写真やレアな被写体の写真を使う傾向がある。

「煌めきの海」と「ときめきの海」

 

ということをふまえ、前者で最もよかったのは、斎藤光一氏撮影のムレハタタテダイの写真。被写体が水面に反射する様を捉えている。ベタ凪が絶対条件で、波を立てずに近寄る必要もあり、見事というしかない。

モルディブで撮影したムレハタタテダイの写真

 

「ときめきの海」では長崎真理氏撮影のイレズミフエダイの大群。繁殖期になると大群になるが、これほど密集するのはパラオならでは。その数に圧倒される。

パラオで撮影されたイレズミフエダイの写真

 

水中映像サークルでも有志によるカレンダーが制作されている。こちらはハガキサイズで、卓上式(壁掛け式にもなる)。1か月ごとに差し替えるスタイル。12点の中で羽田光氏撮影の「キンメモドキの群れ」は、色合いも構図もカレンダー用としては最もよかった。

一方、岡野和之氏撮影の「トゲツノメエビのカップル」は、レアな被写体。解説には、何日もかけ見つけてくれたガイドの名を出し「神業」と絶賛。写真を見る限り、そう思えないほど目立っている。おそらく、隠れているのを探り出して並べるのが「神業」なのだろう。こんな推測もされるので、解説も気を抜いてはならない。

水中映像サークルの卓上カレンダー。キンメモドキとトゲツノメエビ