大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

野生生物写真コンテスト2023

10/20配信されたナショジオメールマガジンで、ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2023の受賞作が発表された。このコンテストは、ロンドン自然史博物館主催で、写真を通して保護が必要な野生生物の姿や、開発が自然にもたらす影響に目を向けたりすることで、環境破壊に関する認識を広めることを目的にしている。

受賞作は13点あるが、ここではすごいと思った5点を紹介する。大賞は、フィリピンでロラン・バレスタが撮影したカブトガニの写真。生息地は砂泥底なので濁っているはずだが、とてもきれいで、コガネシマアジもアクセントになっている。

大賞に輝いたカブトガニの写真

 

次は、ギリシャアゴラストス・パパツァニスが撮影したキノコの写真。胞子の放出を逆光でわかりやすく撮っている。胞子は雨の日が見えやすいので、その日を選んで撮っだという。

キノコの胞子の写真

 

次は、バーティー・グレゴリー撮影のシャチの写真。シャチが群れで波を立て、氷上のアザラシを落とす、特殊な方法で狩りをするところ。コメントでは、温暖化が進むと、こうした狩りは見られなくなるかも、とあるが、氷がなくなれば、アザラシが繁殖できなくなる。

アザラシを特殊な方法で狩りをするシャチの群れ

 

次は、モザンビークの泥沼の写真。泥沼にはまって死んだウォーターバックの死骸に群がるアフリカヒレナマズで、絵のような写真だ。

泥沼で繰り広げられる、生命をつなぐ営みの写真

 

次は、米国バージニア州の川で、コイ科の魚が産卵床をつくるため、大きな石をくわえている写真。撮影したのはアイザック・サボー。大きな石をくわえた瞬間を見事に捉えている。

産卵床づくりで石を運ぶ魚の写真