大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

深場に住み分け アオスジスズメダイ

スズメダイ科のアオスジスズメダイは全長約5cmで、高知県以南の西部太平洋に分布している。黄色ぽい体色で、口から背中にかけて青い筋があるのが特徴。これが和名の由来になっている。もう一つの特徴は、生息場所が水深25m以深ということ。

アオスジスズメダイ(座間味、40m

 

最初に本種に出会ったのは40mだったので、どうしてなのか不思議に思った。それはともかく、深い海底でも青い筋模様がはっきり見えた。輝いているというか、発光しているように感じた。

青い模様が特徴的(座間味、28m

 

本種はほとんど研究されてないようで、図鑑にもあまり載っていない。載っていたとしても情報がとても少ない。分布も琉球列島以南と表記されている場合が多い。ここで高知県以南としたのは、柏島で出会ったからだ。

北限のアオスジスズメダイ柏島40m

 

食性も記されていないが、おそらく雑食性で動物プランクトンや藻類、底生小動物なども食べているのだろう。

前から見ると印象が変わる(西表島28m

 

スズメダイ類は海底のどこかに住みかを構え、産卵も近くの岩や死サンゴなどに行う。本種も例外ではなく、当初は生息場所を浅瀬にしたかったに違いない。しかし、繁栄している魚類で溢れ、空いているところがなかった。強引に入ろうとすれば争いになる。アオスジスズメダイは競うことも争うこともせず、生息場所を深場に求めたのだろう。いわゆる住み分けだ。負け組のように見えるが、決してそうではない。深場で輝く青は、平和の色といってよいだろう。

青く輝くアオスジスズメダイ西表島28m