マンジュウダイ科ツバメウオ属は日本に4種分布している。よく似ているので、海外産の1種を加えてそれぞれの特徴を見てみよう。
まずはツバメウオ。全長約60cmになり、北海道以南の西部太平洋、インド洋に分布している。九州以北でツバメウオ類の成魚が見られるのは本種のみ。腹ビレが黄色または茶色が混じった黄色で、黒ではない。また、腹部に黒斑があるのが特徴。
ツバメウオ（座間味）
アカククリは全長約40cmになり、奄美大島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。口がかなり突出しているのが特徴。腹ビレは黒で、尻ビレは黒で縁取られている。幼魚は黒地にオレンジ色の縁取りがあるため、この和名になった。
アカククリ（コモド）
ナンヨウツバメウオは全長約45cmになり、岩手県（幼魚）以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。アカククリとそっくりだが、口はそこまで突き出ていず、ツバメウオとアカククリの中間くらい。腹ビレは黒い。また、アカククリは海底近くにいるのに対し、本種は海底から離れていることが多い。昔は座間味島の人工漁礁にたくさん居ついていたが、今では見られなくなった。幼魚は枯葉のような姿をしている。
ナンヨウツバメウオの群れ（ラジャアンパット）
ミカヅキツバメウオは全長約40cmになり、岩手県（幼魚）以南の西部太平洋、インド洋に分布している。口はまったく突き出ていないので、横顔の輪郭は丸く見え、体側の黒帯も薄く、腹ビレは黒いのが特徴。海域によっては大群でいることもある。
ミカヅキツバメウオ。右はツバメウオ（コモド）
ゼブラバットフィッシュは全長約65cmになり、西部太平洋の熱帯海域に分布している。日本には分布していないため、和名はない。他種と体型が異なり、黒帯もはっきりしているのが特徴。幼魚は黒い縞模様なのでこの名が付いた。コモドで何度か出会ったが、いずれも単独だった。
ゼブラバットフィッシュ（コモド）
