ウツボ科のアデウツボは全長約100cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。あまり出会えないが、図鑑によれば100m前後の深いところに生息しているとのこと。日本に分布していることがわかったのは、80年代中ごろだった。口の中が鮮やかな黄色なのが最大の特徴。最初に出会ったのは奄美で、1999年のことだった。
口の中が黄色いことにも驚いたが、体全体が紫がかってきれいなので、それらを併せて和名が付けられたのだと思う。次に出会ったのは10年後で、柏島だった。撮影した水深は覚えていないが、20m前後だったような気がする。
水温が低い時期に奄美で潜っているとき、アデウツボを見つけた。水深は24mだった。このときはいろいろなアングルで撮ることができた。あえて口を閉じたところも狙った。
本種は警戒心も縄張り意識も強いほうではない。したがって撮影しやすい。やはり鮮やかな黄色を見せてくれたときが、最も惹かれる姿だ。
2015年に柏島へ行ったとき、アデウツボがユリウツボと一緒にいると聞き、連れて行ってもらった。撮れはしたものの、前日は2種がもっと近寄っていたという。まぁ、それは運なのでしかたがないが、深いところに生息するウツボに、奄美と柏島で2度ずつ会えたことはラッキーとしか言いようがない。