魚の中には目玉模様を持つ魚がたくさんいる。特にベラ類、スズメダイ類、チョウチョウウオ類などの幼魚の場合が多い。目玉模様は外敵をビックリさせたり、惑わせたり、本物の目を守る役目があると考えられている。
ベラ科のホクトベラの幼魚は、背ビレと尻ビレの後部に目玉模様がある。しかし、成長に伴って消失する。
全長約5cmのホクトベラの幼魚(座間味)
スズメダイ科のメガネスズメダイの幼魚は、背ビレの後部に目玉模様がある。実は近縁のクロメガネスズメダイの幼魚とそっくりで、違いがわかりにくい。もしかしたら違っているかもしれない。いずれも成長と共に目玉模様は消える。
同じくスズメダイ科のニセネッタイスズメダイの幼魚。やはり背ビレ後部にある。ちなみに近縁のネッタイスズメダイの幼魚には目玉模様はない。
チョウチョウウオ科のタキゲンロクダイの幼魚も背ビレ後部に目玉模様があり、成長するとなくなる。
全長約5cmのタキゲンロクダイの幼魚(西伊豆・土肥)
キンチャクダイ科の幼魚で目玉模様があるのは珍しいが、ニシキヤッコの幼魚にはある。やはり背ビレ後部だ。
今回取り上げた幼魚の目玉模様は、すべて体の後部に入っていた。本物の目を守る役割を成し遂げるよう進化した結果に違いない。
全長約6cmのニシキヤッコの幼魚(座間味)