大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

2枚の組写真

先日、富士フォトギャラリー銀座で開催された写真展「水のとき」Vol.7を見た。出品者は水中写真愛好家グループで、企画・監修は中村征夫氏が行っている。 写真展「水のとき」会場 今回は2枚の組写真での展示だった。このような試みは初めてだと思う。ものに…

ニジギンポの繁殖について

イソギンポ科のニジギンポは、温帯域から熱帯域まで広く分布している。オスの全長約12cmで、メスは約8cm。白と焦げ茶色のスジ模様があるが、体色はよく変化する。 ブイの周りに群がるニジギンポ(奄美) ブイやロープがあると、大抵多くのニジギンポが近くで…

クサビベラのエサの捕り方

ベラ科イラ属のクサビベラ。三角形の楔(くさび)に似た模様があるためこの名が付いた。大きさは約35cmで、奄美大島以南の西部太平洋に分布している。 黄色い模様が由来のクサビベラ(コモド) サンゴ礁域の内湾のガレ場に生息し、貝類や甲殻類などの底生生…

オハグロベラも喧嘩っぱやい

伊豆周辺でよく見られるオハグロベラも、よく喧嘩をする。繁殖期の初夏になるとオスが縄張りを持つため、侵入するオスと争いになるのだ。 婚姻色になり始めたオス同士の喧嘩(大瀬崎) 産卵を控えたメスを多く受け入れるためには、縄張りを維持することが重…

喧嘩っぱやいハナダイ

ハナダイ類は平和的なイメージがあるが、実はそんなことはない。かなり喧嘩っぱやい種もいる。 ケラマハナダイの喧嘩(奄美) 特にケラマハナダイは喧嘩っぱやく、小競り合いがしょっちゅうある。そのうち噛み合いになるのだ。 キンギョハナダイの喧嘩(コモ…

カマスベラ、黄化個体はなぜ?

ダイバーにあまり注目されない魚の一つがカマスベラ。理由はたぶん地味で可愛くないから。大きさも約30cmで中途半端らしい。 カマスベラ(伊江島) 多くのダイバーは、マンタやナポレオンフィッシュのような大物か、ダンゴウオみたいな極端に小さな魚が好き…

アマミホシゾラフグが掲載された書物

日本魚類学会は今年創設50周年を迎える。記念事業の一環として『魚類学の百科事典』が秋に出版されることに。数百人の著者が分担執筆するそうで、その一人松浦啓一氏からアマミホシゾラフグとミステリーサークルの写真を使いたいと連絡があった。 ミステリー…

ギンガメアジ の生態(2)

ギンガメアジがホンソメワケベラなどにクリーニングを受けている姿は見た覚えがない。だが、一度だけギンガメアジの動きがおかしいことがあった。 ハタタテダイにまとわりつく(タオ島) タイのタオ島でハタタテダイの写真を撮っているとき、数尾のギンガメ…

ギンガメアジの生態(1)

アジ科ギンガメアジは、サンゴ礁域に生息している。全長約80cmになり、大群で行動することが多いため、ダイバーに人気がある。しかし日本で成魚はあまり見られない。 ギンガメアジの成魚(ラジャアンパット) 和名の由来は「銀河のように群れるメアジ」だと…

数珠玉のようなイソギンチャク

クマノミ類が共生するイソギンチャクは約10種類。その中で触手が数珠玉のような形をしているのがジュズダマイソギンチャク。生息場所は砂地やガレ場で、大きさは約25cm。 クマノミの幼魚が住む(水納島) 共生するのはクマノミだけで、しかも幼魚のみ。なぜ…