大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

数珠玉のようなイソギンチャク

クマノミ類が共生するイソギンチャクは約10種類。その中で触手が数珠玉のような形をしているのがジュズダマイソギンチャク。生息場所は砂地やガレ場で、大きさは約25cm


クマノミの幼魚が住む(水納島

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共生するのはクマノミだけで、しかも幼魚のみ。なぜかというと、砂地では卵を産み付ける硬いものがなく、成熟しても無駄になるために制御するのかもしれない。










セジロクマノミの幼魚が(奄美
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以前、ジュズダマイソギンチャクにセジロクマノミの幼魚とクマノミの幼魚が住んでいたのを見たことがある。イソギンチャクとクマノミ類は互いに相性があり、セジロクマノミは住めないはずだが「絶対」というわけではないようだ。








産卵する場所を掃除する(石垣)
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ジュズダマイソギンチャクが岩のそばに生息していることが稀にある。そうすると岩に卵を産み付けられるので、クマノミは成熟して繁殖するようになる。




 





根元が現れた(奄美)                                               

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砂地にあるジュズダマイソギンチャクが、ある日根元まで砂から出ていたことがあった。周辺の砂はえぐれていて、一体何があったのだろう。クマノミは触手にへばりつくようにしていた。









消えたジュズダマイソギンチャク(奄美
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翌日、周りの砂はえぐれたままだが、イソギンチャクは元どおりになっていた。

この写真はそれから2年後に撮影したもので、これを最後に見られなくなった。広い範囲を移動することや砂に埋まることは考えにくいので、おそらく採集されたのだろう。