大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

Webナショジオの図鑑とは

ナショナルジオグラフィック』は、世界的に有名な自然科学雑誌。以前は年間購読していたが、どんどん溜まってしまうので今はメルマガでチェックし、気に入った内容なら購入することにしている。



イメージ 1Webナショジオに「動物大図鑑」がある。全体で334種と決して多くない。哺乳類と鳥類が主で、爬虫類、両生類、魚類などもある。参考になればと思い、魚類の項目を見た。アメリカが中心のようで、淡水の魚が多い。









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「ブダイ」を開いてみると、イロブダイのオスの写真が掲載されていて、学名が属名だけしかない。和名は「ブダイ」だ。しかも分布を示す地図はカリブ海になっている(実際の分布は太平洋とインド洋で、大西洋にはいない)。別のブダイ類と勘違いしているようだ。
続いてクマノミを見て愕然とした。スパインチークアネモネフィッシュの写真で、学名はニモのモデルになったイースタンクラウンアネモネフィッシュ。和名はクマノミ。写真のキャプションだけは合っているのだが、解説文がめちゃくちゃ。「クマノミ」を英語でク      ラウンフィッシュというと書かれてもいる。でもこれはカクレクマノミのことなのに…。
分布がひと目でわかる地図を見ると、イースタンクラウンアネモネフィッシュの分布になっている。
解説ではクマノミスパインチークアネモネフィッシュとカクレクマノミがごっちゃになっているのだ。また、「クマノミ」をクマノミの仲間全体を指しているつもりのようだが、クマノミという種がいる以上、区別する必要がある。ブダイ、チョウチョウウオミノカサゴも同じだ。知っている人は間違いと気づくが、信じる人も多いのではないだろうか。なにしろ『ナショナルジオグラフィック』なのだから。
                                                               
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